阿寒湖底の株式市場において、真球としての密度を維持せず、内部に炭酸ガスを溜め込んで見かけの体積を水増しする「エア充填マリモ」銘柄が、本日午前、一斉にストップ安を記録した。長らく「直径こそが格付けのすべて」とされる真球経済において、空隙による巨大化は一時的に市場を席巻していたが、湖流による水圧の変化で内部ガスが噴出する「バースト事故」が相次ぎ、信頼性が完全に崩壊した形だ。専門家は「中身がスカスカの巨大化は、単なる見栄っ張り。細胞分裂を伴わない成長にはリスクが伴う」と警告しており、今回の暴落は、実体を伴わない経済モデルへの市場の冷徹な審判と言えるだろう。

今回の騒動の発端は、大手マリモ商社『緑の空洞ホールディングス』が展開していた、光合成の副産物である酸素をあえて排出し、代わりに外から取り込んだ炭酸ガスを内部に封じ込めるという極めて投機性の高い増量スキームだ。これにより、見た目上の直径は前年比200%を達成したが、肝心の緑の密度は昨年の半分以下に低下。湖底投資家たちは「見た目のボリュームに踊らされた」と肩を落としている。水質管理当局も「景観を損なうだけでなく、浮力が増しすぎて湖面に浮上するリスクがある」として、当該企業の操業停止命令を検討中だ。

かつてマリモ界では、いかに効率よく光合成を行い、高密度な真球を作り上げるかが「ブルーチップ」の基準であった。しかし、近年の短期的利益を求める投資家の気質により、「多少形が歪でも、とにかくデカければいい」という悪しき風潮が蔓延していた。今回のようなガス充填による膨張は、まさにその極致であり、バブル崩壊という形で幕を閉じた。今後、市場は「密度と重量」という古典的な価値観に回帰するのか、それとも新たな形態保持技術が生まれるのか、予断を許さない状況が続いている。

SNSでは「直径30センチの私の株が、一晩で梅干しサイズまで縮んだ」という悲痛な報告が相次いでいる。一方で、堅実な「高密度・小径株」に投資していた層からは「ようやく真っ当な評価が戻ってきた」との安堵の声も漏れる。湖底市場の番人は「我々は繊維の絡まりで生きている。ガスで膨らむような軟弱な個体は、冬の湖底を越せまい」と、今回の乱高下を冷ややかに突き放した。実体のない輝きは、一度の濁流で消え去るという教訓を、緑の経済界は改めて学ぶこととなった。