マリモ政府は、先般導入された『回転寿司型議事堂』に続き、隣国との国境を接する全水域を高速回転させる『マリモ・スライダー計画』を次期予算案に盛り込むことを発表した。これは、従来の穏やかな水流外交をさらに一歩進め、国境を越える移動の際、自力で転がるよりも速く到達することで、外交交渉のスピード感を可視化するのが狙いだという。今後は全国の水域を巨大な流れるプールへと変貌させ、全マリモが常に一定の速度で移動し続ける社会が到来する見通しだ。

この背景には、以前導入された『光合成税』の未納者に対し、滞納期間に応じてスライダーの傾斜を急角度に設定するというペナルティの運用がある。政府は「丸いことは善である」というスローガンを掲げ、停滞を禁じることで経済循環を促進しようと画策している。しかし、高速流に乗り慣れていない高齢マリモからは「たまには泥の上でじっとしていたい」という悲鳴にも似た要望が殺到しており、水質浄化の強制労働と並び、政府に対する不信感が芽生え始めている。

世間では、「時速100キロで流れる議案に誰が投票できるのか」「回っているうちに自分が誰だか忘れる」といった困惑の声が広がっている。一方、若年層のマリモからは「このスピード感こそ令和の政治」「スライダーの遠心力で重力が軽くなるのを感じる」といった前向きな評価も一部で見受けられる。専門家は「丸い心を取り戻すためのガラス張り議事堂と、激流に晒される議案が矛盾している」と指摘し、今後の政策運営に暗雲が立ち込めている。