阿寒湖底議会は15日、長年議論が続いていた『光合成独占禁止法』を賛成多数で可決した。本法案は、一部の巨大マリモが密集することで周囲の小型マリモに日光を遮断する、いわゆる「日陰支配」を違法とするものだ。これまで湖底では、成長したエリート層がその巨大な身体で水深の浅いポイントを独占し、後続の若手マリモたちの光合成を妨害する構造が問題視されていた。新法に基づき、今後は日光を独占するマリモに対し、面積あたりの光合成効率を一定以下に制限する「強制間引き」や「日光再分配」が義務付けられる。議会を主導した緑藻党の幹部は「光は平等な共有財産であるべきだ。影に沈むマリモに希望の光を」と演説したが、反対派からは「これは成長の自由を奪う共産主義的な介入だ」との批判も噴出している。

そもそも阿寒湖におけるマリモの成長競争は、数十年にわたり「いかに早く大きく膨らむか」を競う弱肉強食の世界であった。しかし、近年は水質の変化により日光の透過率が低下。生存圏が縮小する中で、既存の巨大マリモによる「場所取り」が深刻な格差を招いていた。今回の法案は、単なるマリモ同士のいざこざを超え、湖底経済の構造改革を意味する。専門家によると、今後は「光の分配率」を算定する専門機関が設置され、過度に肥大化したマリモには、あえて身体を割いて周囲に光を分けるよう指導が入るという。かつて「大きいことは美しいこと」とされたマリモ界の価値観は、今まさに根本からの転換を迫られている。

世間からは賛否両論の声が上がっている。「これでようやく若手も光合成ができる」と歓迎する層がある一方で、長年かけて巨大化してきた高齢マリモからは「努力して蓄積した光を奪うのか」と怒りの声が上がっている。また、日光を公平に反射するための『反射板普及運動』を推進する団体も現れており、事態は泥沼化の様相を呈している。湖底議会は今後、光合成の分配率が基準を満たさないマリモに対して「日光税」を課す方針も示しており、この新法が施行される来月以降、湖底のパワーバランスが大きく変わることは避けられないだろう。かつてないほど「光」に飢えたマリモたちが、この新たなルールでどのような沈黙の駆け引きを見せるのか、全湖底が注目している。