阿寒湖の平和な湖底に、未曾有の美容パニックが到来した。ここ数ヶ月、湖底の至る所でマリモたちが勝手に髪型を整えられるという「強制美容施術」の被害が急増している。主犯格とされるのは、かねてから「おしゃれ番長」を自称する水草・マツモの一派だ。彼らは光合成の合間に、通りすがりのマリモの表面へ器用に自らの茎を絡め付け、強制的にレイヤーカットを施しているという。その結果、本来の真球状のフォルムを失い、頭頂部に長めの草を束ねた「ポニーテール姿」のマリモが湖底を転がり回るという異常事態が発生した。
この事態を受け、阿寒湖マリモ保護委員会は緊急会合を開いた。目撃情報によると、マツモたちは「君たちの丸さは保守的すぎる」と主張し、マリモの繊維を編み込んで三つ編みやポニーテールを量産しているという。被害に遭ったマリモの中には「最初は驚いたが、流れに乗ると意外と水流の抵抗が減って泳ぎやすい」と、まさかのイメチェンを肯定する個体も現れており、湖底の美意識は今、かつてない混乱期を迎えている。
そもそもマツモは、従来からマリモの表面に絡まりやすく、共生とも寄生ともつかない微妙な距離感を保ってきた。しかし今回は「ファッション」という大義名分のもと、組織的なカット活動を行っている点が非常に悪質である。専門家によれば、この過剰な装飾はマリモが光合成を行う面積を物理的に阻害する恐れがあり、健康面での懸念も指摘されている。春の遡上シーズンに向け、さらなる変身願望を持つマツモ軍団の暴走が止まらない中、湖底の治安維持部隊は警戒を強めている。
世間の反応としては、保守的な丸型マリモ愛好家からは「伝統的な丸さこそ美学だ。草を生やすなど言語道断」という怒りの声が相次いでいる。一方で、若手マリモを中心に「このポニーテール、水流を切り裂く感じが最高にクール」「次はボブカットに挑戦したい」といった前向きな反応も少なくない。中にはマツモを完全に受け入れ、湖底で「ヘアメイク・サロン・マツモ」を開業しようと目論む輩まで出現する始末だ。阿寒湖の美の定義は、今まさに崩壊と再構築の瀬戸際に立たされている。
湖底に「美容室パンデミック」発生!マツモによる『勝手にレイヤーカット』でマリモたちが次々ポニーテールに
0
丸いからこその価値があるんだよ