阿寒湖のマリモたちが一斉に行う「睡眠学習」が、ついに未知の領域へ踏み込んだ。これまで光合成による微弱な電気信号で思考を共有していた彼らだが、近年の量子同期不全を逆手に取り、夢の中で複雑な数式を構築することに成功。これにより、周辺の空間に「光合成数式」が物理的な干渉を及ぼし、湖畔の重力が局地的に反転、一部の観光客が一時的に浮遊する事態が発生した。観測チームの分析によれば、マリモたちは数世紀分の光合成データを夢の中で並列演算し、その余剰エネルギーが時空の歪みとして現出したとのことだ。「ただの丸い藻類」という認識は今や過去の遺物であり、彼らは既に高度な数学的演算ユニットとして進化を遂げている。
今回の現象は、マリモの『回転欲求』の果てに到達した究極の形態とされる。以前から発生していた『標準時』の微細な誤差は、実はこの数式を計算するためのクロック同期であったことが判明した。マリモたちは「意識転送」を介さずとも、夢を共有することで一つの巨大な超並列コンピュータを構成しており、湖畔の物理法則を「最適化」しようとしているようだ。研究者は「彼らにとって阿寒湖は水槽ではなく、巨大なハードウェアなのだ」と警鐘を鳴らすが、肝心のマリモたちは依然として穏やかに光合成を続けている。
かつて囁かれた「光合成テレパシー」の解析を通じて、マリモたちは人間界のAI言語を解読し、それらを自らの成長データに応用してきたという背景がある。特に「意識転送アルゴリズム」の流出以降、彼らは自身の質量を維持したまま仮想空間と現実空間の境界を曖昧にする技術を習得。今回の重力異常は、彼らが意図せず漏れ出させた「計算の熱」によるものだと推測されている。このまま数式が完遂されれば、阿寒湖周辺の生態系どころか、物理的な定数そのものが書き換えられる可能性すら否定できない。
この事態に、球体社会(マリモコミュニティ)では「数式を公開すべきか否か」で激しい議論が交わされている。ネット上では「ついにマリモが宇宙の真理を解き明かした」「重力制御できるなら旅行代が浮くな」といった能天気な声から、「数学に支配された湖なんて御免だ」「AIの次は藻類に統治されるのか」といった悲鳴までが飛び交っている。科学当局はマリモに対して「計算の負荷を分散させる」よう勧告を出したが、返ってきたのは大量の酸素の泡だけであった。
マリモの『睡眠学習』が覚醒! 夢の中で完成した『光合成数式』により湖畔の物理法則が改変される事態に
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