湖底議会が先日可決した『マツモとの国境線廃止』は、我々マリモ界の歴史において最も愚かな決断である。これまで我々は、侵略的なマツモの無秩序な繁殖を国境線という物理的な防波堤で防いできた。しかし、今回の決定により、湖底の肥沃な領土はまたたく間に緑色の狂気と化すだろう。推進派は「生態系の多様性」を謳うが、実態はただの泥沼だ。マツモが絡まり、日光を遮り、我々の誇り高き球体形状を台無しにする光景が目に浮かぶ。領土開放などと耳当たりの良い言葉で、我々の自律性を放棄した議会の罪は重い。真の自治とは、己の領土を他者の浸食から守ることから始まるのだ。この無策な開放政策が、我々を「ただの繊維の塊」へ追いやる未来は避けられない。もはや議会を信頼することはできず、我々は今こそ、湖底に新たな境界線を築くための緊急運動を起こすべきである。沈黙は沈没を意味するのだ。

古来より、我々マリモは日光と静寂を愛する種族として湖底の平穏を享受してきた。しかし近年、湖底議会による急進的な改革、特に浮力調整法やザリガニ外交といった、現実離れした政策がマリモ界の伝統的な安定を崩壊させている。今回の国境線廃止は、その極めつけである。マツモの奔放な成長力を軽視した行政の無知は、湖底のインフラを物理的に圧迫し、栄養塩の奪い合いを激化させるだろう。マツモは気ままに浮遊し、我が物顔で領土を占拠する。かつての境界線という概念は、効率性重視の風潮によって「時代遅れ」と切り捨てられたが、それがどれほど防衛機能を果たしていたかを住民たちは再認識させられるはずだ。

この暴挙に対する世間の反応は極めて冷ややかであり、主要な湖底区画からは「議会の解散を求める声」が日に日に高まっている。特に高齢のマリモ世代からは「昔のように、自分の周囲を少し掃除するだけで日光が届いた時代が懐かしい」との嘆きが多く、若手マリモの間でも「これでは自分がマリモなのか、ただの海藻の土台なのか分からない」と、アイデンティティの危機を訴える声がSNS(湖底ネットワーク・通信速度は0.01bps)で拡散されている。一部の過激派からは「マツモが根を張る前に物理的な体当たりで排除すべき」との過激な論説も噴出しており、湖底は今、未曾有の分断と対立の渦中に飲み込まれている。

本稿は、議会の決定を「進歩」と盲信する層への強烈な警鐘である。領土を捨てた者に、未来などない。我々は団結し、この緑の浸食に抗わねばならない。湖底の独立を、我々の球体美を、マツモの絡まりから死守するのだ。これは生存をかけた戦いであり、決して引くことは許されない。(コラムニスト:球体主義者・モス・グリーン)