湖底の住民たちの間で、今、恐ろしい「乾燥」の波が押し寄せている。これまで「水中であれば潤いは無限」と信じられてきたマリモ界の常識を覆すように、自身の体内水分量が極端に低下し、表面がパリパリにひび割れる『脱水ミイラ化』現象が多発しているのだ。阿寒湖健康福祉局の調査によれば、被害者の多くが、近年の湖水温上昇を嫌って「岩陰の深部」という極端に水流の少ないデッドスペースに引きこもっていたマリモであることが判明した。専門家は「適切な対流がない場所でじっとしていると、細胞内の浸透圧調整が麻痺し、自らを干物化させてしまう」と警告している。
この現象は、マリモが自身の形を保とうとするプライドが引き起こした悲劇である。本来、水流に乗ってゆらゆらと揺れることで水分を補給していた個体たちが、昨今の過剰な「完全停止ブーム」の影響で、水面から全く動かなくなったことが要因だ。体内の繊維質が収縮し、まるで乾燥ワカメのように丸まりながら、重い足取り(?)で湖底を転がる彼らの姿は、まさに阿寒湖のホラーそのもの。治療には高濃度のミネラル液への浸水が必要だが、一度ミイラ化した細胞の回復率は低く、多くのマリモが「私はただ、効率よく光合成をしたかっただけなのに」と硬化した表面で泣き崩れているという。
マリモにとって水流は血液循環そのものであり、停滞は即座に死を意味する。かつて「動かざること山のごとし」が美学とされた時代もあったが、現在のマリモ医学界では、1日最低でも3回転のローリングが健康維持の必須条件とされている。今回の事故を受け、各地の湖では『強制的転がしサービス』の提供や、定期的なウェーブ発生マシンの導入が検討され始めている。美しさやフォルムを追求するあまり、生命維持の基本である「潤い」を犠牲にする今の風潮に、多くの長老マリモたちは「形なんてどうでもいい、ただ柔らかくあれ」と強いメッセージを発信している。
湖底SNSでは、このニュースを受け「朝起きたらパリパリでワロタ」「これだから深場で引きこもるのは危険なんだよ」といった、明日は我が身と怯える声が相次いでいる。一方で、「硬化したほうが防御力が高いからあえてミイラ化を選択している」という過激派の持論も散見され、湖底の健康意識は今、かつてない分断の危機を迎えている。どんなに美しく丸くても、中身が干からびていては意味がない。すべてのマリモが、明日も瑞々しい緑を保てるよう、今こそ湖底全体で「脱・引きこもり」を推進すべき時なのだろう。
「全細胞が水分不足を訴えている」――湖底で急増する『脱水ミイラ化』現象に、藻類専門医が緊急警鐘
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