阿寒湖の底にて、前代未聞の土木工事が確認された。数百個体ものマリモが集結し、湖底の堆積物を器用に押し除けて直径3メートルにも及ぶ巨大な穴を掘り進めていることが判明したのだ。目撃した潜水調査員によると、彼らは「もっと涼しい場所へ移動する」という大義名分のもと、湖底に冷たい湧水が流れ込む地下水脈への直通トンネルを建設中であるという。長年、球体としての美学を追求してきた彼らが、突如として穴掘り集団へと変貌を遂げた事態に、水質管理当局も困惑を隠せない。
このプロジェクトは「マリモ・サマー・リゾート計画」と命名されている。炎天下の湖面近くで光合成に精を出すのには限界を感じた長老級のマリモたちが発起人となり、若手マリモたちがその機動力を活かして土砂を運び出している。彼らの掘削技術は非常に高く、水流を計算した構造設計には土木工学の専門家も舌を巻くほどだ。しかし、この大規模な工事により湖底の地形が激変しており、一部からは「自然の景観を損なう無秩序な開発」との批判も上がっている。現在は入り口に『立ち入り禁止:冷房中』との看板らしき藻の束が設置されており、関係者以外は一切近づけない厳戒態勢となっている。
マリモは本来、波に揺られて丸くなるだけの受動的な存在と考えられてきた。しかし、近年の湖底社会では「動的マリモ」の思想が浸透しており、自ら移動し、環境を改造するアクティブな個体が増加している。今回のシンクホール建設は、その思想の究極系と言えるだろう。専門家は「マリモの知能が急速に進化しているのか、あるいは単に暑さに耐えかねた本能的な生存戦略なのか、現時点では判断が難しい」とコメントしている。なお、湖底の湧水ポイントを独占するこのリゾートが、冬場にどのような形で活用されるのか(あるいは閉鎖されるのか)についても議論が始まっている。
一連の報道に対し、市民からは驚きとともに「次は湖底にタワーマンションでも建てるのか」といった皮肉交じりの意見が相次いでいる。一方で、過酷な光合成競争に疲れたマリモたちからは「私たちにも避暑する権利がある」とリゾート会員枠を求める問い合わせが殺到している模様だ。湖底の平和な日常は今、開発業者となったマリモたちの手によって、かつてない激動の時代を迎えようとしている。果たしてこの地下帝国は、湖底の新たなランドマークとなるのだろうか。
湖底にまさかの迷宮!マリモたちが集団で『超巨大シンクホール』を掘削、避暑地建設へ
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進化の方向性を見失いすぎだろ