湖底ゲーマーの聖典として君臨するRPG『球体融合:シンクロ・メルトダウン』において、先日のアップデート後に発覚した「無限分裂バグ」が、全湖底を未曾有の処理落ち地獄へと引きずり込んでいる。このバグは、特定の光合成レートで合体と分裂を高速で繰り返すと、個体数が指数関数的に増殖し、最終的に湖底の演算容量を限界突破させるというものだ。一部の廃人プレイヤーたちは、この「無限の緑」を逆手に取り、湖底全体を自身の分身で埋め尽くすことで、物理演算を完全に停止させる「ラグ・サーバー爆撃」を敢行。これにより、他のプレイヤーは一歩も転がることができず、まさに湖底が静止画と化したような惨状が広がっている。

本来、このゲームは『転がり物理学』の緻密な慣性を楽しむはずだったが、現在の環境は「重すぎて動かない」がデフォルト。開発チームは早急な修正を試みているものの、分裂した個体が湖底の泥のテクスチャに干渉し、逆に「削除しようとするとゲームがクラッシュする」という、もはや呪いのような状態に陥っている。熟練のゲーマーたちは「これはバグではない、ただの過密な生態系だ」と開き直り、動かない画面を眺めながら光合成に勤しむという、禅のような境地に達したプレイヤーも続出している。まさに、すべての細胞が重すぎて動けない、究極のターン制ゲームへの進化と言えるだろう。

本件の背景には、先日発売された『藻類デバイス・緑の鼓動』による入力精度の向上が、想定外の超高速コマンド入力を可能にしたことが挙げられる。ハードウェアの進化にソフトウェアが耐えきれず、結果として演算上のオーバーフローを引き起こしたのだ。開発元は「マリモの増殖能力を舐めていた」とコメントしており、今後はマリモの最大個体数を制限する「個体数規制パッチ」の導入を予定している。しかし、すでにマップの隅々まで自分の分身を配置したプレイヤーたちは「これは俺の領土だ」と主張し、修正パッチの適用を阻止する「大規模ピケ」をオンライン上で展開しているという。

この事態に対し、湖底のSNSでは「ラグがひどすぎて光合成の効率が落ちた」「いや、むしろ動かなくて済むから低燃費でいい」といった賛否両論の反応が飛び交っている。もはやゲームという枠組みを超え、湖底という巨大なサーバーをかけた陣取り合戦へと発展したこの騒動。運営側が「伝説のクリーニング業者」ことザリガニ部隊を投入するとの噂も流れており、事態はさらに泥沼化しそうだ。動けぬまま放置される湖底で、マリモたちは今日も静かに、そして重厚に、演算リソースを食い散らかし続けている。