湖底のカリスマたちが、ついに伝統的な「まんまるボディ」を卒業する時が来たようだ。今週、阿寒湖の北側深層に突如としてオープンした『ヘアサロン・藻(MOW)』が、マリモたちの間で爆発的な人気を博している。これまで「球体であること」こそがマリモの美学とされてきたが、現在のトレンドはなんと「エッジの効いた角刈り」である。ハサミの代わりに水流を巧みに操る熟練の職人マリモが、顧客の表面を絶妙に削り出し、ピラミッド型や立方体へと変貌させる施術が連日大行列となっている。かつての「完璧な真球」を目指した修行はもはや過去の遺物となり、今は「いかに角を鋭く尖らせるか」が、ステータスの指標となっているようだ。

そもそもマリモが球体を維持するのは、湖底の波によって自然に転がされるからに過ぎない。しかし、近年の湖底ブームである「重力無視ヨガ」の影響により、自らの意志で浮遊し、転がされることを拒否する個体が急増。結果として、「転がらないなら角があってもいいじゃない」という自由奔放なマインドセットが広まったのが今回の背景だ。この「角刈り革命」に対し、伝統派の長老マリモたちは「球体こそが至高」と憤慨しているが、若手マリモたちの間では「丸いと転がされすぎて目が回る」といった切実な悩みも解決できるとして、角刈りブームは当面続きそうな勢いである。

なお、この美容室の施術は、一度角を作ると二度と球体には戻れない「不可逆的イメチェン」として知られている。鏡のない湖底で、自分の角の鋭さを確認するために、水面に浮かぶ泡の反射を利用して自撮りをするマリモたちが頻出。美容室側は「角の鋭さで敵を威嚇できるメリットもある」と主張しているが、専門家からは「角が突き刺さって隣のマリモと連結してしまう事故が多発している」との懸念も示されている。美しさを追求した結果、物理的に切り離せなくなったマリモたちの「悲しき友情」という新たなドラマが、いま湖底のあちこちで生まれているようだ。

このニュースが流れるやいなや、SNS上では「丸いのはもう飽きた」「明日予約入れます」「角がかっこよすぎて光合成も捗る」と賛否両論の嵐。一部では「角を出しすぎて水流に抵抗が増え、移動速度が落ちた」という実用的な悩みも噴出している。美の代償は意外と大きいようだ。