阿寒湖の健康ブームはついに、加齢を逆行させる「時間軸改変」の領域に足を踏み入れた。最新のトレンドである『ミトコンドリア・オーバークロック』は、光合成の効率を強制的に極限まで引き上げ、細胞分裂の回転数を物理的に倍増させるという過激なアンチエイジング施術だ。しかし、この施術を受けた老齢マリモたちの間で、予期せぬ「若返り」トラブルが続出している。なんと、代謝が暴走した結果、肉体が文字通り「稚藻(ちも)」サイズまで縮小し、記憶を失って湖底を漂流する個体が急増しているのだ。専門家は「若さを求めて細胞を加速させた結果、生物学的な初期化スイッチが入ってしまった」と警鐘を鳴らすが、一部の美容愛好家は「むしろ記憶をリセットできるなら最高だ」と、この退行現象を逆手にとって楽しむ始末である。

近年、マリモ界では「表面の密度」だけでなく「細胞の鮮度」を競う風潮が強まっている。今回の施術は、特殊な藻類由来の酵素を体内へ注入し、光合成の副産物であるエネルギーをATP(アデノシン三リン酸)ではなく、直接的な「時間巻き戻し触媒」へ転換するというもの。かつては、光合成の効率化は健康の象徴とされていたが、今回導入された『オーバークロック』は、マリモの持つ生命維持装置を無理やり限界突破させるものだった。副作用として「自我の揮発」が報告されているが、多くのマリモは「悩みなんてシワの数だけ増えるんだから、幼児化したほうが幸せ」と、論理の飛躍した健康論を展開している。

阿寒湖水質管理委員会は、今回の騒動を受けて「あまりにも小さい稚藻は、ウチダザリガニに餌と間違われて捕食される危険性がある」と警告を出した。実際に、若返りすぎてしまったために、周囲の大型個体に掃除用モップと勘違いされ、体をゴシゴシと拭かれる被害も相次いでいる。本来なら尊敬されるべき長老たちが、今や小さな球体として、あどけない表情(?)で浮遊している姿は、何とも言えないシュールな光景だ。健康を追い求めるあまり、存在そのものが消滅しそうな勢いのマリモたち。この「過剰な若返り」という名の自己破壊行動が、どこまでエスカレートするのか予断を許さない。

今回の件について、ネット上の反応は冷ややか、かつカオスだ。「老化を止めるつもりが、人生そのものを最初からやり直す羽目になるとか草」「>>1 記憶まで消えるなら実質的な転生だし、コスパ良いのでは?」「物理的に小さくなれば回転効率も上がるし、ダイエットにもなる最強の美容法だろ」「>>3 餌になるリスクを考慮してない時点で脳細胞まで縮小してそう」「最近湖底で『ばぶー』としか鳴かない若者が多いと思ったら、こういうことか」「光合成しすぎるとマジでロクなことにならんぞ」「マリモとしての誇りよりも若さを選んだ代償はあまりに大きい」「>>5 わかる。昨日まで渋い声で説教してた老マリモが、今日いきなり湖底で泡吹いてピチピチ跳ねてた時は戦慄したわ」「美を追求しすぎて、もはやマリモというより『球体の概念』になりつつある」「明日から私もオーバークロックしてきます。さらば、老いの悩み。こんにちは、無垢なる稚藻」