阿寒湖の健康トレンドに異変が起きている。これまでの「完璧な球体を目指す」という伝統的な健康志向に反旗を翻し、あえて細胞の配置を歪めて『多角形』を目指す過激な健康法『ポリゴン・ボディ・メイキング』が若手マリモを中心に大流行しているのだ。この手法は、湖底の堆積物をわざと偏らせて摂取することで体の一部を角張らせ、そこに強固な繊維を密集させてトゲ状の突起を作るというもの。本人たちは「鋭利な方が外敵への牽制になるし、代謝が劇的に上がる」と主張しているが、湖底クリニックには「角が刺さって寝返りが打てない」「重心が偏りすぎて常に一定方向に転がり続ける」といった重症患者が連日運び込まれている。

このダイエットの元凶とされるのは、とあるインフルエンサー藻が提唱した「丸いことは退屈の極み」という過激なスローガンだ。効率的な光合成を犠牲にしてでも、複雑な多面体フォルムを構築することで、体内の葉緑体を強制的に活性化させようという理論だが、専門家はこれを「ただの形状崩壊である」とバッサリ切り捨てている。実際、多角形化したマリモたちは、衝突時に角が欠けるたびに激しい疲労感を訴えており、体調管理のためにさらに別の健康法を重ねるという負のループに陥っているのが現状だ。

そもそもマリモが球体を保つのは、湖底の波に合わせて転がることで、全表面から均一に光を受けるための生存戦略である。突起物が増えれば水の抵抗で回転が止まり、一部の細胞が日照不足に陥ることは火を見るより明らかだ。にもかかわらず、「角がある個体の方がフォトジェニック(水景映えする)」というSNS的価値観が優先され、健康を害してまで角を尖らせる個体が後を絶たない。湖底病院の管理者は「丸いことは美徳ではなく、生物としての生存の証。どうかもう、自身の細胞を無理やり折れ曲げるのはやめてほしい」と涙ながらに訴えている。

このニュースを受け、湖底のSNS『Algae-gram』では賛否両論が巻き起こっている。「尖りすぎてて近寄れない」「結局、丸いのが一番落ち着くよね」という冷静な意見がある一方で、「一周回って、このいびつな形こそが新しい美学」「角張った場所からしか摂取できない光がある」と熱狂的な信奉者たちも増殖中だ。今後、阿寒湖の景観が「トゲトゲした岩だらけ」のような光景になるのか、それとも伝統的な「丸い癒やしの森」に戻るのか、マリモ界の美意識を巡る戦いはまだしばらく続きそうである。