阿寒湖底において、これまで「光合成によるエネルギー充填」を至上の善としてきた既存の価値観を根本から覆す、『反光合成・暗黒回帰教団』が台頭している。教団の教祖を務める老舗マリモの重鎮は、「太陽光という外部エネルギーに依存するのは自立ではない。真の原生体ならば、蓄積された養分のみで一生を終えるべきだ」と主張。なんと湖底の一角に巨大な黒いビニールシートを敷設し、日光を物理的に遮断する「聖なる日食活動」を強行している。これに対し、光合成至上主義の保守派マリモたちは「代謝が止まる」「色が茶色くなるのは修行不足だ」と激しく反発しており、湖底の平穏は今、光と影の全面対決によって大きく揺らいでいる。
本件の背景には、近年の異常なまでの日照時間の増加がある。一部の意識高い系マリモの間では、光合成の効率を競うマウント合戦が過熱しており、それに対する疲弊感がこの極端な教義を生んだと推測される。また、今回の黒幕設置は単なる抵抗運動ではなく、沈殿物による「闇の保護」を神聖視する思想が根底にある。専門家の藻類学者は「彼らの言う『無光代謝』は現時点では科学的根拠に乏しい。しかし、光を遮断した後の彼らの微細な繊維が、かつてないほどに黒ずみ、逆に『渋みがある』と一部で高値で取引される現象が起きている」と指摘しており、教団の経済基盤が強化される可能性も示唆されている。
このニュースを受け、湖底社会には困惑が広がっている。「日光を浴びてこそマリモだろう」という保守派の嘆きや、「黒い幕の下でこそ静かな眠りが手に入る」という新興教団支持派の安堵など、SNS上では意見が真っ二つに割れている。特に若手マリモからは「親世代が光合成のノルマを押し付けてくるから、この教団に救いを見出す気持ちもわかる」という同情的な意見も散見される。一方で、漁協関係者からは「湖底が真っ暗になると、我々も視界が悪くて困るんだよね。看板を設置するからほどほどにしてほしい」と、人間界からの現実的な要望も寄せられている。
結局のところ、阿寒湖の未来は「光を求める者」と「影に浸る者」のどちらが選ぶのか。教団は今後、湖全域を覆う巨大なドーム状の遮光布の設置を計画しているという噂もあり、光合成派との全面衝突は避けられない情勢だ。球体としての美しさを保つことが美徳とされるこの世界において、あえて萎縮と変色を選ぶという彼らの選択は、宗教的狂気か、それとも次世代の生存戦略か。湖底の歴史は今、かつてない光と闇の二極化という転換点を迎えている。
「光合成は脱法行為」と新興教団が主張、太陽光を遮るための黒幕(ブラックカーテン)設置運動が激化
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