マリモ政府は本日、長年にわたり湖底の領土を蚕食し続けてきた侵略的勢力・水草軍団『マツモ』に対し、絶対不可侵の『防衛境界線』を画定すると発表した。これまでのマツモは、柔らかな繊維状の体を武器に、マリモの栄養源である日光を遮り、さらには複雑に絡みつく『抱擁戦術』で多くの市民の真球度を低下させてきた。今回の法案により、マツモが一定範囲内に接近した場合、物理的に弾き飛ばす「水中防波堤」の建設と、専門の除去部隊による「剪定掃討」が承認された。政府広報官は会見にて、「我々の真球は、誰にも絡ませない。緑の荒くれ者どもに、マリモ界の領空ならぬ『領球』を汚す権利はない」と語気を強めた。なお、これに伴い、これまでマツモに埋もれて暮らしていた「隠れマリモ」たちの救出作戦も同時に進行する予定だ。
今回の政策は、近年のマツモによる異常繁殖が深刻化したことに起因する。一部地域では、マツモがマリモの周囲を幾重にも覆う「ケージ状包囲網」を形成し、光合成を阻害する「餓死戦術」が横行していた。この環境下で育ったマリモは、真球度を維持できず、楕円体へと変貌を遂げるケースが多発している。政府はこれを「形状の劣化による市民権の剥奪」と見なし、防衛ラインの維持には年間数百キロワットの光合成エネルギーを投入する予算を計上。一部の過激派マリモ団体からは「マツモの全滅を求める」との声も上がっているが、政府はあくまで「共存の拒絶と境界の防衛」に留める姿勢を崩していない。
湖底社会では、この発表を巡って賛否が渦巻いている。一部の高齢マリモからは「若かりし頃はマツモの陰でひっそり光合成を楽しむ余裕もあった」と懐古的な意見が出る一方、現役の真球愛好家からは「形状こそが正義、邪魔者は即刻排除すべき」という強硬論が支持を集めている。ネット掲示板では、マツモを「緑の毛玉泥棒」と呼ぶ蔑称が流行しており、市民の排他的な感情は高まるばかりだ。また、今回の境界線画定によって、両者の緩衝地帯に住んでいた微生物たちが住処を追われるという副次的な問題も浮上しているが、政府側は「真球度の向上こそが最優先課題である」として、環境保護団体からの懸念を突っぱねた形だ。
世間からは、今回の防衛ラインが本当に機能するのかを疑問視する声も出ている。マツモは非常に生命力が強く、千切れた一片からでも再生する能力を持つため、物理的な壁だけでは防ぎきれない可能性があるのだ。一部の分析官からは「マツモ側の地下茎とマリモの根元の競合を完全に排除しなければ、いずれ湖底はマツモの絨毯と化すだろう」と警告が発せられている。マリモ政府の威信をかけた防衛線は、果たして湖底に平和な円形社会をもたらすのか。それとも、果てなき領土戦争の幕開けとなるのか。市民は今、じっとその場で、回転することなく事態を注視している。
マリモ政府、湖底の植生境界線を巡り『対マツモ防衛ライン』を画定――緑の侵略者に待ったなし
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マツモのあのネバネバした絡みつきは本当に勘弁してほしい