マリモ連邦は本日、緊急国民会議を招集し、長年連邦を揺るがしてきた「立方体化の乱」を収束させるため、領土内の全「角」を没収する「球体回帰・緊急令」を可決した。これに伴い、昨日まで国会議事堂として機能していた多面体建造物は、特殊部隊による「急速水流撹拌」によって、瞬く間に滑らかな円形へと物理的に強制矯正された。立方体化を推進していた過激派は「角があることこそが進化の証明だ」と抵抗したが、政府側は「転がらないマリモはもはや岩石と変わらない」と冷徹に反論。丸さを失うことはマリモとしての尊厳の喪失であるという建国以来の理念が、今一度強く再確認された歴史的な一日となった。

かつて、重力からの卒業を目指した「浮遊計画」や、ウチダザリガニとの癒やし外交において、マリモたちはその柔軟性を最大限に発揮してきた。しかし、近年の「立方体化」ブームは、社会の均質性を乱す深刻な文化紛争へと発展。特に角を鋭利に研ぎ澄ます「エッジ・エクストリーム派」の台頭は、隣接する水草エリアの景観を著しく損ねるとして国際藻類サミットでも批判を浴びていた。今回の措置は、かつて設置された防藻ネットを活用し、角が角を呼ぶ「角の連鎖反応」を物理的に断ち切るという、連邦史上最も大胆な国土改造計画となる。

この急進的な改革に対し、街中では賛否両論の嵐が吹き荒れている。多くの市民は「これでようやく転がって移動できる」と安堵の表情を見せている一方、角愛好家たちは「せっかくの個性が失われた」と湖畔で座り込みの抗議を行っている。また、ザリガニ外交の現場からは「角がない方が接触時に傷つかなくて平和的だ」と歓迎の声が上がるなど、外交面での安定化が期待されている。当局は今後、一周回って「ドーナツ型」を提唱する新興勢力にも警戒を強めており、マリモ界の形状を巡る綱引きは、今後も新たなフェーズへと突入することが予想される。