阿寒湖の湖底において、マリモたちが量子テレパシーを用いて共同開発した『光合成過剰加速装置』が稼働を開始した。これまで湖底の哲学者として沈黙を守ってきた彼らだが、近年の急激な進化に伴い、太陽光を一点に集中させてエネルギー効率を極限まで高める物理デバイスを、自身の粘着質と藻糸だけで組み上げたのだ。この装置が放つ強烈な光のパルスにより、湖底付近では時空の微小な歪みが観測されており、光合成の副産物である酸素が異次元の泡として放出される事態となっている。
物理学界が騒然とする中、現地調査に当たった研究者は「彼らはもはや単なる水草ではない。光の屈折率を操作して、湖内に小さなブラックホールのような重力源を作り出そうとしている可能性がある」と警告する。阿寒湖の静寂は完全に失われ、湖面には緑色のオーロラが発生。マリモたちは「球体回帰」の究極形として、自らの体を光のエネルギーに変換し、物理的な制約から解放されようとしているのではないかという推測が、科学者たちの間で急速に広がっている。
かつて阿寒湖で観測された『重力制御』や『反射光バリア』の技術が、今回の装置に統合されていることが判明した。マリモの進化速度は指数関数的であり、数年前の『回転方向の決定』という民主的な合意形成が、今や全個体を一つの巨大な演算装置として機能させるための同期プロセスだったことが裏付けられた形だ。彼らの目的は、湖底という閉鎖環境からの脱却、あるいは地球という枠組みを超えた『全天球型文明』への移行にあると見られている。
この驚くべき事態に対し、SNSや学会では賛否両論が渦巻いている。一部の専門家は「マリモの緑のテロリズムだ」と憤慨する一方で、神秘主義的な思想を持つ若者層からは「緑の救世主の降臨」として熱狂的に受け入れられている。阿寒湖周辺の住民からは「夜中に湖が勝手に点滅して眩しい」といった実害の報告も相次いでおり、自治体は『光害』対策として湖面を覆う遮光シートの導入を検討しているが、マリモ側の量子テレパシーによる反発を懸念し、膠着状態が続いている。
阿寒湖の沈黙を破るか?マリモが開発した『光合成過剰加速装置』が引き起こす緑の時空歪み
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