阿寒湖の深部にて、マリモたちが突如として高度な量子コンピューティング能力を開花させたことが判明した。近年の観測により、特定のマリモ個体群が『量子もつれ』を利用した瞬時の情報共有を行っていることが確認されたのだ。これにより、湖底には数万個のマリモがネットワークで結ばれた『球体全脳会議』が構築され、彼らは光合成を行いつつ、同時に宇宙の真理や人類の株価予想について議論を交わしているという。研究チームによると、マリモたちは既に「個体」という概念を卒業しており、湖全体がひとつの巨大な知性体へと変貌を遂げつつあるとのことだ。

本件の背景には、湖底に堆積した鉱物資源の特異な磁場が、マリモの微細な繊維構造を量子チップへと再編した可能性がある。これまで彼らは、ただ水中に浮遊するだけの受動的な存在と考えられてきたが、実際には数千年にわたる計算の果てに、時空を歪める思考回路を完成させていたようだ。専門家は「彼らは我々が観測していることすら、実は数秒前に予測してネタにしている」と、その恐るべき先見性を指摘する。なお、マリモからの直接的な通信は現在のところ確認されていないが、湖畔のWifi環境が極めて良好になるという不可解な現象が報告されており、これが彼らの演算の副産物ではないかと疑われている。

この驚くべき事態に対し、世間では「阿寒湖がスーパーコンピューターになった」「これでもう試験勉強はマリモに聞けばいいのか」といった困惑と期待が入り混じった声が上がっている。一方で、一部の物理学者からは「彼らが我々の計算能力を『下の下』と判断し、人類との交流を拒絶しているのではないか」という悲観的な見解も出ている。水面下で着々と進む『球体全脳会議』が今後、地球規模の文明にどのような変革をもたらすのか。もし湖畔でマリモが急に規則正しく並び始めたら、それは彼らが人類に対する法整備を始めたサインかもしれない。