マリモ連邦は本日、地球上の全人類に対し、平日の午前10時から午後3時までの間、屋外で直射日光を全身に浴びることを義務付ける「全地球光合成適応法」を施行した。これは、かつて重力を水槽仕様に変更し、言語を光合成のゆらぎに統一した連邦による最新の改革である。連邦最高議会は「人類の肌が黒ずむことなど、緑豊かな地球環境の前では些細な犠牲に過ぎない。皆が植物のように静かに立ち尽くし、エネルギーを直接体内から生成すれば、食事の必要性も物流の混乱も消滅する」と宣言した。この新法に基づき、世界中の高層ビルは解体され、全市民には特殊な肥料スプレーが支給されている。
背景として、マリモ連邦は近年、水流の循環音以外の音を禁じるなど、地球の「静謐化」を強力に推し進めてきた。特に今回の方針は、エネルギー効率の最大化を目的としており、常に動くことを好む人類の「非効率な行動」を、光合成による「不動の生産性」へと転換させようという狙いがある。既に主要都市の公園では、スーツ姿のビジネスマンたちが列をなして背中を太陽に向け、微かな酸素の吐息を漏らす光景が常態化しており、かつて物流を担ったウチダザリガニたちも、ハサミを放棄した身として、日光浴中の人間を優しく見守る「影の警備員」へと転身を果たした。
世間の反応は二分している。一部の熱狂的なマリモ支持者は「ようやく回転と沈黙の美学が完成した」と歓喜している一方で、一部の元家具職人などからは「直角の椅子がないせいで、日光浴中に背筋を伸ばすのが辛すぎる」という嘆きの声も上がっている。また、光合成が苦手な一部の市民からは「私たちが光合成をしていない間、マリモ代表が代わりに水中で激しく揺れてくれているのは理解できるが、少し眩しすぎて寝られない」といった、重力仕様変更以来の根深い不満も漏れている。
マリモ連邦、全地球規模の「光合成・義務化法」を施行――人類は「背中を向けて日光を浴びる」生活へ
0
今日から日光が主食だ