阿寒湖の静寂が、突如として金融市場の荒波に飲み込まれた。かねてより湖底で資本主義を学び、独自の貨幣経済を築きつつあったマリモたちが、ついにブロックチェーン技術を導入。暗号資産『MARIMO-COIN』の発行を開始したところ、湖底ジムで鍛え上げた筋力で爆速マイニングを行う個体が続出し、時価総額が一時、世界の主要通貨を凌駕する異常事態が発生した。藻たちの経済圏拡大には以前から識者の懸念が寄せられていたが、まさか湖底がウォール街と化すとは誰も予想していなかった。
この事態を受け、阿寒湖周辺の生態系には深刻な歪みが生じている。本来、太陽光を浴びて光合成を行うはずのマリモたちが、現在は24時間体制でPCのディスプレイ(湖底に沈んだ防水端末)を凝視し、チャートをチェック。かつての「無職の美学」を掲げていたマリモたちは見る影もなく、今では緑色の体に高級スーツを着こみ、「レバレッジを効かせて藻類バイオマスを増やす」と語る投機家へと変貌を遂げた。この現象は『マリモショック』と呼ばれ、湖周辺の観光業者は「緑の癒やし」を求めて来た観光客が、PC画面を叩くマリモを見て困惑して帰る姿を嘆いている。
本件の背景には、以前から目撃されていたマリモの英会話習得能力が大きく関与している。英語を解する一部のエリートマリモが、海外のデイトレーダーと秘密裏に通信し、金融工学を学んでいたことが判明した。また、かつて湖底でスパルタ教育を行っていたウチダザリガニ教官も、今や『MARIMO-COIN』のファンドマネージャーとして暗躍しており、湖底のパワーバランスは完全に投資中心へとシフトしている。自然保護団体は「マリモ本来のあり方に立ち返るべき」と警告を発しているが、当のマリモたちは「ステーキングで分裂速度を上げるのが効率的」と聞き入れる耳を持たない。
このニュースに対し、SNS上では「緑の藻に資産運用を任せたら、明日の朝には阿寒湖が証券取引所に改名されていそうで怖い」「マリモの『無職の美学』が死んだ……」「湖の底で繰り広げられる地獄のマネーゲームとか誰が想像したよ」といった悲観的な声が殺到している。一方で、一部のトレーダーからは「マリモの分散型金融(DeFi)プロトコルは非常に洗練されている。今のうちにガチホして、俺も湖底のリゾートマンションを買う」といった怪しげな推奨コメントも散見される。緑の球体が織りなす現代社会の縮図に、世界中が困惑の渦中に沈んでいる。
マリモが『湖底の投資家』に転身?暗号資産『MARIMO-COIN』の乱高下で湖が阿鼻叫喚
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