阿寒湖の奇跡がさらなる進化を遂げている。これまで『マリモ脳内光合成』によりIQが低下する副作用が指摘されていたが、最新の研究で、脳内で増殖したマリモが電気信号を最適化し、これまで人間が理解できなかった「マリモの思考」を言語化する『マリモ・トランスレーション』が可能になったことが判明した。被験者からは「脳内が湖底の静寂に包まれ、藻類特有の哲学的な沈黙を言葉として受信できるようになった」との報告が相次いでいる。

この技術は、脊髄へのマリモ植え込みや血管内光合成と並び、健康増進の最終段階として注目されている。脳内に定着したマリモは、持ち主の自律神経を強制的に「湖底モード」へと切り替え、ストレスを藻のごとく分解するという。専門家は「もはや人間は言葉で話す必要はない。深緑の思考を同期させるだけで、全人類が阿寒湖の一角になれる」と熱弁する。ただし、翻訳の過程で思考が「ぷくぷく」という泡の音に変換されてしまい、重要な商談が全て「ぷくぷく……ポコッ」で終わってしまうケースが続出しているようだ。

本件は、過去に流行した『全身緑化・経皮吸収』や『マリモ点眼液』のユーザーを中心に急速な広がりを見せている。脳内の緑化が進むにつれ、太陽光を浴びると頭部から酸素が放出され、周囲の空気が劇的に浄化されるという副次的効果も確認された。厚生労働省は「脳内が阿寒湖化しても、社会生活に支障が出るレベルの藻類化は控えるように」と注意喚起を行っているが、すでに愛好家たちは政府の警告すら「光合成のノイズ」として黙殺しているという現状がある。

世間の反応は二分している。「IQが下がるどころか、地球環境そのものと会話できるようになった」と歓喜する層がいる一方、「朝起きたら脳がマリモ語で自己主張を始めてしまい、うるさくて眠れない」という悲痛な叫びも上がっている。また、「マリモと会話していたら、なぜか湖底の不動産物件を勧められた」という怪情報まで飛び交っており、この新しい健康法は阿寒湖の深淵のような深い闇を孕み始めているようだ。