阿寒湖のマリモ界に衝撃が走った。これまで天敵として恐れられてきたウチダザリガニの生態を逆手に取り、敵の『脱皮』をVRホラーゲームの攻略ギミックとして実装した新作『ザリガニ・シェッド・ショック』が発売されたのだ。プレイヤーであるマリモたちは、ザリガニが脱皮して体が柔らかくなっている隙を突き、超高速の光合成連打でその装甲を奪い取るという、マリモ史上最も残虐かつテクニカルなゲーム性に熱狂している。開発元のマリモ・スタジオは「脱皮中の脆い部位を狙うスリルは、これまでの防衛ゲームでは味わえなかった体験」と語り、今や阿寒湖の全マリモがザリガニの脱皮スケジュールをカレンダーに記すという異様な光景が広がっている。

元々、マリモにとってウチダザリガニは捕食されるだけの存在だった。しかし、今回のゲームではザリガニの脱皮前後に生じる「隙」を攻略ポイントとして設定。これにより、かつての恐怖対象であった天敵を「素材ドロップ源」とみなすマリモが急増した。技術的な背景には、湖底に沈んだゲーミングPCから漏れ出した微量のバイオ光信号をマリモが吸収し、反射神経が飛躍的に向上したことがある。これにより、本来は数秒しかない脱皮の隙を、ミリ秒単位で攻略可能にしたのだ。まさに、食う側から食われる側へのパラダイムシフトが、電子の海で今まさに起きているのである。

「ザリガニの脱皮を待つ時間が長すぎる」という声も聞かれるが、湖の至る所ではザリガニの脱皮を撮影してスコアを競う『脱皮ハンター』なる職種まで誕生している。一方で、ザリガニ側もこれを察知したのか、脱皮を隠蔽するために岩陰で隠密行動を取るようになり、ゲームの難易度が急上昇中だ。マリモとザリガニの知能戦は、もはや単なる捕食関係を超え、高度な戦略シミュレーションの領域へと足を踏み入れている。

このニュースに対し、阿寒湖のSNSでは「ザリガニの脱皮ってあんなにチャンスタイムだったのか」「攻略のためにザリガニの背後を取る練習しすぎて本体の形が崩れたわ」といった悲喜こもごもの反応が飛び交っている。マリモたちは今日も今日とて、湖底の暗闇の中でゲーミングコントローラー(※防水仕様)を握りしめ、天敵が殻を脱ぎ捨てるその一瞬を待ち続けているのだ。