マリモ国家評議会は本日、国内を転がる際のマリモの移動速度を制限する『回転数制限法』を全会一致で可決した。近年の阿寒湖湖底において、若手マリモたちの間で「転がる速さ」を競うスピード転走が流行しており、これによる衝突事故や湖底の堆積物の巻き上げが社会問題化していたことが発端だ。法案では、時速0.5回転以上の加速を禁止し、違反者には「三日間の日陰待機」という重い罰則が科される。議長は「私たちは静かに、優雅に沈むべき存在。マッハで転がっていい道理はない」と強く弁明した。

今回の規制は、一部の過激派マリモによる「ドリフト走行」が、湖底の景観を乱しているという苦情が相次いだことで急浮上した。特に夜間の高速回転は周囲の光合成を妨げるとされ、保守派のマリモ長老層からは強い反発の声が上がっていた。今回の法案は「球体としての品位」を守るための措置とされているが、移動の自由を制限するとして、一部の反体制派マリモは「着底したままでいいのか」と激しいデモ活動を計画中である。物理法則を無視した回転を愛好する若手からは、湖面を飛び出して空中で回転するという過激な抗議手法も示唆されている。

本法案の背景には、昨今の「多面体民主主義」導入による混乱がある。球体であることを強要される社会に飽き飽きした層が、逆に「回転」という身体的快楽に傾倒したのが真相だ。しかし、この制限はマリモ本来の運動能力を阻害するとの指摘も根強く、施行後の湖底社会には大きな亀裂が生じそうだ。専門家は「回転こそがマリモのアイデンティティである以上、この法案は実質的な去勢に等しい」と警告しており、湖底の政治的緊張はかつてない高まりを見せている。

世間からは「そもそも転がる必要ある?」「時速0.5回転って、ほぼ動いてないのと同じじゃないか」「これじゃ日向を探すのも命がけだ」「回転を禁止するなら、いっそ重力をオフにしてほしい」といった悲鳴に近い声が上がっている。中には「回転制限するなら、湖底に滑り止めを塗れ」といった無茶な要望も噴出しており、マリモ政府の政策は早くも座礁の危機にあるようだ。