マリモ政府は本日、長年維持されてきた『球体維持義務』を撤廃し、新たに『多面体民主主義導入法』を可決した。これまで政府は「角のない完全なる丸さこそがマリモの美徳」と説き、いびつな個体を厳しく行政指導してきたが、今回の方針転換により、三角錐や立方体など、個々のマリモが自由な形状で光合成を行う権利が認められた。閣僚らは「重力超越後の空中生活において、風の抵抗を減らすには鋭角が必要だった」と説明しており、国会周辺では尖った角を持つマリモが次々と目撃されている。
かつて強制昼寝法で全閣僚が熟睡し、深海での省エネ外交を模索したマリモ政府だが、今度は「形状の自由」という急進的な改革に舵を切った。この背景には、浮遊する閣僚たちの間で「丸いだけでは風に流されて会議にならない」という切実な悩みがあったとされる。今後は各マリモの形状を投票用紙に見立てる『形状投票制』も導入される予定だが、多面体化することで転がりやすくなり、結果として「議論がすぐにあらぬ方向へ転がっていく」という懸念も浮上している。
本法案の可決を受け、保守派の長老マリモからは「古来より丸さこそが安定の象徴であったのに、角を出すのは野蛮だ」との苦言が呈された。しかし、若手マリモ層からは「やっと自由になれる」「丸く生きることに疲れた」といった歓迎の声が多く、湖畔は現在、鋭い突起を持ったマリモたちによるファッションショーのような様相を呈している。
この急激な変化に対し、市民からは「明日には八面体になっているかも」「角が取れるまでがマリモ」といった戸惑いの声も漏れている。特に、これまで『球体維持義務』を遵守し、必死に丸さを磨いてきたエリート層のマリモたちが、自身の角のなさを嘆き、急いで砂利に擦り付けて突起を作ろうとする光景が散見され、現場は前代未聞の混乱に包まれている。
「脱・球体宣言」に揺れる阿寒湖――マリモ政府、ついに『多面体民主主義』の導入へ
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角なんて邪道だ