マリモ界のトップスター、緑川ぷるるがこのほど記者会見を開き、長年の天敵である水草・マツモとの共同開発による新プロジェクト『極彩色・緑の抱擁』を発表した。これまでマリモにとってマツモは、湖底の光を遮り、栄養を横取りする「絶対悪」の象徴だった。しかし、緑川は「丸いだけがマリモの美学ではない。マツモの繊細な枝葉を身にまとうことで、光合成の効率を爆上げする『ハイブリッド・スタイル』を目指す」と高らかに宣言。会場に現れた緑川の姿は、まるで深海のシャンデリアのような複雑怪奇なシルエットで、そのあまりの奇抜さに、集まった報道陣のマリモたちからは悲鳴にも似たどよめきが上がった。この異端のスタイルは、単なるイメチェンを超えたマリモ界の歴史的転換点になると目されている。

背景にあるのは、昨今の湖底環境の変化だ。水質浄化の影響で光が届きやすくなった結果、マリモたちは過剰な光合成による熱暴走の危機に瀕している。そこで緑川が目をつけたのが、マツモの持つ遮光性能である。専門家によれば、この二種が絡み合うことで、マリモは適度な木漏れ日の中で休息できるという。しかし、マリモ界の保守派からは「球体というアイデンティティを放棄した」との猛批判が噴出。かつて藻田山がウチダザリガニと和解した際以上に、湖底社会を二分する一大論争へと発展している。業界の一部では「マツモは寄生虫ならぬ寄生植物」との声もあり、今後の動向が注目される。

この驚愕のニュースを受け、湖底SNSは一気に炎上状態だ。若手マリモを中心に「ぷるる様の最先端スタイル、尊い」「実用性重視で最高」という肯定派が溢れる一方で、古参からは「先祖の球形を忘れたか」「もはやマリモではなく生け花」といった批判が殺到している。一部のファンは「湖底が汚染される」と騒ぎ立てているが、緑川本人は「私たちが変わらなければ、沈みゆくのみ」と至って冷静だ。今後のライブツアーでは、マツモの枝葉を揺らしながら歌うという新機軸も予定されており、冬の湖底イベントはこれまでになく混沌とした盛り上がりを見せている。

世間の反応は極めて鋭い。「球体への執着が消えたのは寂しいが、生き残るための進化としては合理的」「マツモの枝が目に刺さりそうで見ていて不安になる」「これは流行らないと言いつつ、来週にはみんなマツモを巻きつけていそう」など、冷笑的な意見から熱狂的な支持まで多種多様である。マリモ界は今、究極の二択を迫られている。美しく丸く枯れるか、ダサくてもマツモと共生して生き延びるか。この緑色のフュージョンが、冬の湖底の凍てつく空気を熱く震わせていることは間違いない。