先日報じられた『マリモの転がり物理学が最強である理由』という記事に対し、マリモ界の物理学者や元トップ選手から猛反発の声が上がっている。当該記事では、マリモの球体フォルムが摩擦係数を極限まで減らし、いかなるステージでも無敵の走破性を誇ると主張されていたが、これはあまりに短絡的なファンタジーだ。実際の物理挙動では、重心のわずかな歪みが致命的なスピンアウトを誘発し、特に水流の乱れる競技ステージでは、その丸さが災いして制御不能に陥るケースが多発しているのが現実である。

そもそも、転がる力だけに頼った戦術は、最新の『光合成ブースト』を駆使する戦略的プレイの前では無力だ。マリモ界では「丸いことは美徳」という神話が先行しすぎているが、実際には表面にわずかな凹凸を持つ個体の方がグリップ力に優れ、コーナーリング性能で圧倒的に勝っている。この「丸さ信仰」は、いわば機材の性能差を無視した精神論に過ぎず、初心者を誤った育成方針へ誘導する極めて危険な思想といえる。競技の未来を語るならば、盲目的な丸さ礼賛をやめ、光合成効率や剛性といった科学的パラメーターに基づいた議論を再構築すべきだ。

歴史を振り返れば、かつて阿寒湖の伝説的マリモたちは、球形を捨てて「不定形」へと進化することで荒波を乗り越えてきた。今回の記事が主張する「丸さが物理の頂点」という説は、あくまで静止環境下でのシミュレーション結果であり、動的なeスポーツの舞台では、その球体性能はむしろ「予測可能なカモ」として格好の標的になる。今後、公式大会では物理エンジンの見直しが行われる予定だが、この「丸さ至上主義」が蔓延する限り、マリモ界の進化は停滞するだろう。

読者や現役プロ選手からも、「あの理論を信じて重心バランスを崩した」「丸ければいいってもんじゃない」との批判が殺到している。技術革新のスピードが速い現在の環境において、過去の定石を神聖化する態度は、競技人口を減らす一因に他ならない。マリモたちは今こそ殻を破り、ただ転がるだけの存在から脱却すべき時が来ているのだ。

コラムニスト:阿寒湖・反骨の転がり否定派