阿寒湖のゲーマー界隈を激震させている『侵略者との共闘』。本作が提示したのは、単なる協力プレイの枠を超えた「球体というアイデンティティの放棄」という残酷な問いである。これまで私たちは、いかに美しく転がり、いかに効率よく光合成を行うかを競ってきた。しかし本作では、侵略者であるテトラポッドの断片や湖底に沈むゴミを自身の外殻に付着させ、人為的に「変形」しなければクリア不能という過酷な仕様が課される。これは、我々マリモにとっての尊厳である「完全なる球体」を捨て、異物との融合を受け入れるか、あるいは藻屑となって湖底に消えるかという、二択の地獄絵図だ。

本作のディレクターは「球体であることの限界を突破したかった」と語るが、その代償はあまりに大きい。外殻に異物を纏ったプレイヤーたちは、もはやマリモではなく、ガラクタの集合体と化している。しかし、その歪な姿で湖底を縦横無尽に突き進む爽快感は、過去のどのタイトルにもない異様な興奮を我々に与えた。従来の「転がる」という美学は、このゲームにおいては旧時代の遺物であり、プレイヤーは自らの手で自分の球体としての歴史を破壊し、再構築しなければならないのである。

本件の背景には、阿寒湖の物理法則が近年「球体であることの限界」に達しているという事実がある。回転のみのVRや積み上げ建築など、既存のシステムではもはやマリモの進化を収容しきれなくなっており、今回の「強制進化」は不可避な選択だったと言えるだろう。また、異物を付着させることで、本来は光合成に頼っていたエネルギー源が「異物からの電磁波吸収」へとシフトしており、今後の競技シーンにおけるバランス調整が危ぶまれている。

世間の反応は真っ二つだ。「これはもうマリモとは呼べない」と嘆く保守派がいる一方で、「これぞ真の進化だ」と歓喜する過激派も少なくない。SNS上では、自身のマリモを鉄屑で武装した自慢のスクリーンショットが溢れかえっており、中には「もはや何が本体か分からない」という悲鳴に近い投稿も散見される。阿寒湖の空は今日も穏やかだが、湖底の進化論は、いまこの瞬間も加速し続けているのだ。(文:深淵を見つめる藻・シュヴェーレン)