阿寒湖底議会は本日未明、長年の伝統であった『球体維持義務』を撤廃し、新たに『球体強制脱却法』を圧倒的多数で可決した。この法律は、真円を至高とするマリモ界の固定観念を打破し、三角形、四角形、さらには不定形への変身を義務付けるという前代未聞の政策である。議会を主導した若手改革派の「球体は転がるだけで能がない。これからは多角化の時代だ」という主張に対し、伝統的なマリモ長老たちは「我々が何百年かけて丸みを帯びてきたと思っているのか」と猛反発している。
本法案の背景には、隣接する水草エリアとの「形状競争」がある。複雑な多角形になれば光の反射角を調整でき、より効率的な光合成が可能になるという学説が急浮上したからだ。しかし、この法案には重大な欠陥も指摘されている。これまで真円として転がっていたマリモたちが、四角形になった途端に湖底で角が引っかかり、一切動けなくなるという事態が予測されるのだ。専門家は「これでは移動能力を完全に失う。まさに政治による退化だ」と警鐘を鳴らしているが、議会は「動かざること山の如し。これからは移動より定点観測の時代である」と開き直っている。
この急進的な政策決定に対し、湖底の有権者からは怒りや戸惑いの声が溢れている。特に、若手マリモを中心にSNSならぬ「藻類ネットワーク」では「丸いのはオワコン」「角ばった俺たちマジクール」といった過激な投稿が相次ぐ一方で、保守派の長老たちが「我々は回ってなんぼだ!」とデモ行進を行うなど、阿寒湖はかつてない分裂の危機に瀕している。この『脱・球体政策』が吉と出るか凶と出るか、次回の定例議会までには変形に必要な「成長促進剤」の配布も予定されており、当面は湖底の形状革命から目が離せそうにない。
世間からは「球体であることこそが我々のアイデンティティなのに」「四角いマリモなんてただの緑の岩だろ」「角があるとか痛そう」「政府はいい加減にしろ!丸いマリモの尊厳を守れ!」といった反対意見が殺到している。一方で一部の勢力は「新しいフォルムで日光を独占してやる」と息巻いており、穏やかな湖底は今や形状の優劣を競う殺伐とした戦場と化している。
湖底議会、新法『球体強制脱却法』を可決――「多様性なきフォルムは古臭い」と全マリモが騒然
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