阿寒湖底議会は本日、冬期のエネルギー消費抑制を目的とした「冬眠義務化法案」を、賛成多数で強行採決した。この法案は、冬場の光量不足を逆手に取り、すべての個体が湖底の砂泥に深く埋まり、活動を完全に停止することを強制するものだ。法案の主導者である古参議員の「丸茂(まるも)氏」は、「過剰な光合成を控え、代謝を落とすことが持続可能な湖底社会の鍵だ」と主張している。しかし、この決定に対して湖底全域から猛反発の声が上がっている。とりわけ、冬場こそが一番綺麗に回れると信じる「回転熱狂派」の若手マリモたちにとっては、アイデンティティを根底から否定されたに等しい暴挙だという。
今回の法案が急浮上した背景には、近年湖底で深刻化している「微細藻類の栄養分横取り合戦」がある。マリモたちが光合成のために光を求めて上層へ移動する際、膨大なエネルギーを消費することが、保守派議員の目には「無駄な資源の浪費」と映っていたようだ。また、今回の法案には驚くべき付帯条項が含まれている。冬眠期間中に寝返りを打ったことが発覚した場合、罰金として貴重な「窒素肥料」を湖の北側に徴収されるというのだ。この「寝返り監視法」の制定により、湖底の夜は今、かつてないほどの緊張感に包まれている。
湖底社会ではこのニュースに対し、「冬眠など信じられない!」「寝ている間にマツモに場所を奪われたらどうするんだ」といった怒りの投稿が、気泡とともに乱れ飛んでいる。特に「回転の自由を守る会」を名乗る団体は、SNS(藻類ネットワークシステム)を駆使し、大規模な抗議デモを計画しているという噂だ。一方、一部の高齢マリモからは「たまにはじっくり休むのも悪くない」と法案を支持する声も上がっており、世代間での深い溝が露呈した形となった。次回の議会では、冬眠中の姿勢を監視する「監視塔設置予算」も審議される予定で、湖底の政治的混乱は当分収まりそうにない。
街頭(水底)の反応は冷ややかだ。多くのマリモが、「そもそも、我々に寝るという概念が適用されるのか?」という生物学的な疑問を投げかけている。あるマリモは「自分は冬になると逆にテンションが上がって高速回転したくなる体質だ。それを法で縛るなんて、我々から『個性』という名の球体を奪うのと同じだ」と語った。この法案が施行されれば、今年の冬は静寂に包まれるどころか、監視の目を盗んでコソコソと回転するマリモたちが夜な夜な現れる、「禁じられた回転」の季節となることは避けられそうにない。
湖底議会、まさかの「冬眠義務化」に全マリモが激怒――「我々は一年中、回っていたい!」
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俺は雪が降っても回っていたいんだよ