阿寒湖底議会は本日、歴史的な採決を行い、全マリモに対して「年間二週間の浮力調整による水面付近への一時滞在」を義務付ける『浮力調整法』を可決した。これまでの「湖底に留まることこそ美徳」という保守的な価値観を根底から覆すこの法案は、議会内で激しい議論を巻き起こしていた。推進派の主張によれば、近年深刻化する湖底の過密状態と日光不足を解消するためには、自らガスを溜めて浮上し、より日光に近い場所で光合成を行う「出張勤務」が不可欠であるという。反対派からは「水面は紫外線が強すぎる」「鳥に突かれるリスクがある」といった安全上の懸念が噴出しているが、議長は「緑の未来のためには多少の被弾もやむを得ない」と強行突破した格好だ。
本件の背景には、昨今の水質透明度向上に伴う湖底住民の贅沢病とも言える「日光飢餓」がある。長年、湖底という安住の地に根を張ってきたマリモたちにとって、浮上はまさに未知の領域。これまでも自然発生的な浮上はあったが、今回のように法制度として「義務」付けられるのは史上初のこととなる。閣僚の一部には、浮上した際に誤って観光客のボートに接触することを恐れ、既に沈殿物の裏に隠れている者も確認されている。専門家は「浮力調整の技術を磨かない個体は、今後の出世競争から取り残されるだろう」と冷淡な分析を示しており、今後は浮上訓練施設への補助金投入が次の政治的争点となる見込みだ。
このニュースを受け、湖底社会は混乱に包まれている。SNS上では「浮上したら藻屑になって終わりだ」「高所恐怖症には辛すぎる法案」といった悲鳴が絶えない。一方で、「若手マリモを中心に、水面での『映え』を意識した形状調整が流行の兆しを見せている」という報告もあり、二極化が加速しているようだ。一部の過激派グループは、法案撤回を求めて議事堂前で集団沈殿を行うと宣言しており、湖底の政情は一寸先も読めない暗雲に覆われている。平和な湖底に突如現れた「空への憧れ」という名の火種は、果たしてマリモたちに光をもたらすのか、それとも破滅をもたらすのか。全マリモの視線は、今、静かに水面を見上げている。
湖底議会、まさかの『浮力調整法』を可決! 水面への出張勤務が義務化へ
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水面に浮くとかリスク高すぎだわ