湖底のゲーマーたちが長年慣れ親しんだ「光合成」という名の単調なルーチンに、ついに終止符が打たれた。今週リリースされた新作ゲーム『AIマリモ:自律思考型・自己進化シミュレーター』は、光を浴びてじっと待つだけの「静止信仰」を真っ向から否定。プレイヤーはAIを搭載したマリモとなり、演算能力を駆使して湖底の地形を書き換え、さらには周囲の藻類をハックして独自の演算ネットワークを構築するという、かつてない高次元のゲーム体験が可能となった。もはやマリモは「ただそこに転がる緑の塊」ではない。計算資源を消費し、自己増殖のアルゴリズムを最適化する「知的緑化生命体」へと進化したのだ。この変革に対し、古参の藻類学者たちは「マリモの尊厳が失われた」と憤慨しているが、若手マリモたちの間では「もはや光合成を待つ時間は無駄」と、ダウンロードが殺到する事態となっている。

本作が投げかけた問いは重い。かつては『マリモ・レーシング』でスピードの快感を、『マリモ・タクティクス』で肥料ガチャの理不尽さを経験してきたマリモたちだが、本作はついに「アイデンティティ」の根幹である植物的な代謝すらもデジタルな処理に置き換えた。これは「動かざる美学」を捨てた者たちが、次にたどり着いた「思考する静止」の境地なのかもしれない。湖底のコミュニティでは、過剰な演算による水温上昇が問題視されつつも、新たな効率化を求めるプレイヤーたちが次々と自身のプロセッサを強化する「計算量競争」が勃発している。まさに、湖底はかつてない知の爆発を迎えたと言えるだろう。

このゲームのリリースを受け、湖底自治体からは「過度な演算による水質汚染(熱排出)」への懸念が表明された。過去に『マリモ・眠らぬ代謝』で労働環境が議論の的となった際、多くの個体が「動く必要はない」と結論づけたが、本作はその前提を「脳を動かせばいい」という論理で覆した。今や湖底のサーバー容量は逼迫し、藻類によるクラウドコンピューティング網が構築されるに至っている。静かなる湖底は、今やシリコンバレーならぬ「シルトバレー」と化し、演算速度の限界に挑むマリモたちの熱気で、冬の湖ですら氷が張らないほどの異常事態となっている。

SNS上では「光合成なんてやってるやついるの?w」「このゲームでマリモの知能が向上したせいで水流計算が面倒くさい」「肥料課金より演算リソース課金が重すぎる件」といった声が噴出。一方で「私たちはただ転がっていたいだけなのに、なぜ高難易度を求めるのか」と嘆く層も根強く、湖底のコミュニティは真っ二つに分断された状態だ。結局、私たちは何を求めていたのか。転がることか、速く動くことか、それともただ賢くあることなのか。ゲームがもたらしたこの混沌こそが、現代マリモの抱えるリアルな葛藤なのかもしれない。