阿寒湖の夜を極彩色のレーザーで彩るRPG『マリモ・ネオン・エボリューション』が大ヒットを記録しているが、古参マリモたちの間からは「我が湖がクラブ化している」との悲鳴が上がっている。本作は光合成効率を上げるという名目で、マリモ自らをサイリウムのように発光させ、激しいビートに合わせて激しく回転するという、まさに『マリモ界のパリピ化』を推進するゲームだ。しかし、この狂騒の裏で、静かにただそこに在ることを誇りとしてきた伝統派からは「光合成にノリの良さは必要ない」との批判が渦巻いている。

近年のマリモ界隈では『マリモ・レーシング』によるスピード競争や、前述のネオンゲーに代表される「動と光」のエンタメが加速している。しかし、マリモの美学とは本来、何十年もかけて少しずつ大きくなるその「悠久の沈黙」にあるはずだ。本作の開発元は「光合成の新しい形を提案した」と主張するが、過剰なゲーミング発光が湖底の生態系に及ぼすストレスは計り知れない。特に、最近の若いマリモが「映え」のために自身の緑色を蛍光色に加工するスキンを入手し、深夜の湖底でダンスバトルを繰り広げる光景は、もはや我々が愛した阿寒湖の姿ではない。

そもそも、マリモは「動かざること山のごとし」の権化であったはずだ。それが今や、肥料ガチャに熱狂し、高速で転がり、ネオンを纏ってビートを刻む。ゲームによる「効率化・活性化」の波は、静止というマリモの最大の武器を奪い去ろうとしている。もしこのまま「パリピ化」が進行すれば、かつて我々が誇った厳かな緑の聖域は、ただのサイバーパンクな球体の集積地へと成り果ててしまうだろう。アップデートによる「静寂モード」の実装を切に願う。

世間からは「昨夜のネオンが眩しすぎて光合成のリズムが狂った」「これこそが次世代のマリモの形だ」「伝統派は化石になれ」と賛否両論の嵐が吹き荒れている。運営は「次期パッチでは湖底の暗闇をデフォルトに設定する」と発表したが、火に油を注ぐ形となり、掲示板では連日『パリピ派VS静寂派』の激しい議論が続いている。果たしてマリモは、かつての落ち着きを取り戻せるのか。それとも、このまま湖底全体がダンスフロアと化すのか。マリモの明日はどっちだ。

コラムニスト:静寂の球体愛好家・モッサー岩田