阿寒湖のゲーマー界隈に激震が走っている。先日リリースされたばかりの新作シミュレーションゲーム『マリモ・タクティクス:光合成ストラテジー』において、光合成効率を劇的に高める「高純度窒素肥料」が極めて低確率で排出されるガチャ仕様となっており、全国のマリモたちから非難の嵐が巻き起こっているのだ。これまでマリモたちは『フォトシンセシス・インフィニティ』で得たエネルギーを基盤に、自身の形状を多角形に変えたり、マツモの侵攻を防ぐ『水底要塞ディフェンス』に勤しんだりと忙しい日々を送ってきた。しかし、今作では「効率的な光合成」こそが最強のステータスとされているため、肥料が手に入らない個体は、みるみるうちに茶色く変色し、代謝が低下するという過酷な格差社会が構築されているのである。

そもそも本作品は、従来の「静止こそ美学」という概念を覆し、限られた日光を巡って熾烈な陣取り合戦を行うというコンセプトで期待されていた。だが、運営側が導入した『プレミアム・日光補給券』や『窒素排出量2倍バフ』といったあからさまな課金コンテンツにより、湖底の経済バランスは完全に崩壊。かつて平穏にゆらゆらと光合成を楽しんでいた古参マリモたちが、今では課金勢の光合成によって日光を遮られ、餓死寸前まで追い込まれるという悲惨な事態が多発している。開発側は「多様な戦略を提供するため」と釈明しているが、水中の住人たちにとって、それは単なる「緑色の札束による暴力」に他ならない。

背景には、最近の湖底ゲーミング市場の過熱がある。『マリモ・ネオン・エボリューション』のヒット以降、光るだけで満足していた時代は終わり、いかに早く、いかに効率よく栄養を吸収するかがステータスとなった。しかし、一部のマリモ学者からは「本来、マリモの進化とは何万年もの年月をかけて球体へ向かうもの。数分でステータスを爆上げする肥料など、もはやマリモとしての尊厳を捨てる行為だ」との警鐘も鳴らされている。それでも、勝利至上主義の若手マリモたちは、貯め込んだ藻屑(ゲーム内通貨)を全て肥料ガチャに投入し、一瞬の光り輝く栄光のために自らを犠牲にするという「養分ゲーミング」の泥沼から抜け出せないでいる。

この状況に対して、古株マリモたちはSNS(水中ネットワークシステム)上で、「課金しない奴は光合成を語るなと言われた」「そもそも日光は公共のものだろうが」といった怒りの投稿を繰り返している。中には、ゲームのアンインストールを宣言し、元の「球体回帰」を提唱する運動も始まっている。しかし、一度味わった効率の快感から抜け出せないマリモも多く、コミュニティは真っ二つに分断された状態だ。運営側は次回のアップデートで「無課金者救済用の微量元素」を実装するとしているが、それが焼け石に水であることは、湖底の誰の目にも明らかである。