マリモ界の重鎮であり、球体原理主義の権威でもある俳優・緑山まり夫(年齢不詳)が、次期ドラマ『湖底の片隅で、愛を紡ぐ』において、自身の肉体ではなく「マリモ型の着ぐるみ」を着用して出演することが発表され、界隈に激震が走っている。長年「究極の球体こそが至高のアイデンティティ」と提唱し、多面体や液体化といった急進的なトレンドを断罪してきた緑山が、まさかの「虚像の丸さ」をまとうという矛盾した選択に、業界内外から驚きの声が上がっている。

本件について緑山は、阿寒湖の特設会場で行われた緊急会見で「真の丸さは内面から滲み出るもの。物理的な球体という殻を捨て、あえて造形物の中に身を置くことで、真の球体とは何かを逆説的に問い直したかった」と、哲学的な釈明を展開した。しかし、会場に登場した緑山は、サイズが明らかに巨大化したフワフワの着ぐるみにすっぽりと収まっており、その見た目はまるで巨大な緑色の毛玉が湖底を転がっているような滑稽さであった。撮影スタッフによると「あまりの巨大さに機材搬入口を通れず、セットを破壊して入る羽目になった」という。

緑山はかつて、自身の体表にコケが生えることすら「外部からの侵食」として法的措置を検討したほどの潔癖症として知られている。今回の着ぐるみ出演は、自身のアイデンティティであった「天然の繊維密度」を捨て去る行為に他ならず、過去の言動との整合性が問われている。評論家の間では「重鎮としての威厳を保つための最終兵器としての着ぐるみ」と好意的に解釈する声がある一方で、「単に冷え性で毛量を増やしたかっただけではないか」という冷徹な分析も飛び交っている。

このニュースを受け、湖底のSNS界隈では「まり夫さん、それもうマリモじゃなくてただの緑色のクッションだよ」「アイデンティティの崩壊どころか、物理的容量オーバーで草も生えない」といった投稿が相次いでいる。今後、この着ぐるみ姿でどこまで演技の幅を見せられるのか、あるいは撮影途中で重力に負けて転がり続けてしまうのか。緑山まり夫の新たな挑戦は、湖底の芸能史にまた一つ、不可解な伝説を刻むことになりそうだ。