マリモ政府は本日、湖底の治安維持を目的とした特別防衛費を昨年度比で300%増額し、過去最高額に引き上げることを閣議決定した。今回の予算増額の主目的は、天敵であるウチダザリガニによる「ハサミの不当な行使」への対抗措置である。政府は新プロジェクト『強固な球体・鉄壁の殻』を立ち上げ、衝撃を吸収する特殊粘膜のコーティング剤の開発と、ザリガニのハサミを空振りさせるための『超高速・緊急回転回避システム』の導入に踏み切る方針だ。阿寒湖の主要閣僚は「我々の平和な転がりが脅かされることは断じて許されない」と声明を発表したが、一部の市民団体からは「防衛費を増やすよりも、湖底の沈殿物を増やして隠れ場所を作るほうが先決ではないか」といった冷ややかな指摘もなされている。

近年、ウチダザリガニによるマリモの食害や破壊行為は激化の一途を辿っている。かつては外交交渉によって共存を図る試みもあったが、昨今の「ハサミ強硬外交」により、マリモ側は領土の北側で深刻な真球度の低下に見舞われている。今回の措置は、物理的な防御力向上を主眼に置いており、防衛省は「回転の自由を守るための必要最低限の武力(物理)行使である」と主張。しかし、予算の捻出元が「光合成効率税」であることから、日照時間の少ないエリアに住む市民からは「光を取り上げられた上に、転がりを矯正されるための費用まで払わされるとは」と、政府に対する不信感が急速に高まっている状況だ。

今回の防衛予算の増額に対し、湖底市民の反応は真っ二つに分かれている。保守層からは「これでようやく安心して寝返りが打てる」と歓迎の声が上がる一方、リベラル派や若年層の球体からは「ザリガニが来るのは我々が美味そうだからであり、防衛費をかける前に、いかに『まずい』と誤認させるかが重要ではないか」という根本的な議論が巻き起こっている。また、一部の専門家は「防衛技術に全振りした結果、真球度が極端に歪むリスクがある」と懸念を表明。SNS上では、最新の衝撃吸収材を身にまとったマリモの姿が「もはやボールというよりタイヤだ」と揶揄されるなど、湖底の政治情勢は混迷を極めている。

SNS上では「今回の予算はザリガニに食われた時に出る粘液量よりも高いのではないか」「そもそも我々は逃げられないのだから、徹底抗戦するしかない」といった意見が飛び交っている。また、一部のインフルエンサーからは「防衛費ではなく、ザリガニのハサミを麻痺させる成分を分泌する遺伝子改良を進めるべき」という急進的な提案も出ている。マリモ社会にとって、この防衛強化が真の平和をもたらすのか、それともさらなる湖底の軍拡競争を招くのか、市民の不安は尽きない。