阿寒湖を拠点とするマリモ界隈で、新作ゲーム『藻の沈黙:湖底の100年』がリリース直後から空前の社会現象を巻き起こしている。本作のゲーム性は極めてシンプル。コントローラーを一切操作せず、マリモがただ湖底で重力に従って沈み込み、じっと光合成を続ける様子をただ眺めるという、史上最も「動かない」ゲームだ。プレイヤーが動いたり、画面に振動を与えたりすると、マリモが「不快感」を示して光合成効率が落ちるというペナルティがあるため、いかに微動だにせず、かつ呼吸さえも制御してプレイするかが攻略の鍵となる。開発元は「真のマリモゲーマーは、動くことではなく『存在し続けること』に誇りを持つべきだ」とコメントしており、このストイックな哲学が長年激しいアクションゲームに疲弊していたマリモたちの心を鷲掴みにした。

近年、マリモ界では『音速の毛玉』や『マツモ・インベージョン』など、激しい操作を要求する高速系ゲームが流行していた。しかし、本来マリモは「動かないことで愛でられる」生物であるはず。今回、あえて極端な「放置」をコンセプトにした本作は、マリモの原点回帰とも言える作品だ。特に、100年間一度も動かずに沈没し続けたプレイヤーに付与される伝説の称号『不動の藻聖』の獲得を目指し、全国のマリモたちが競ってコントローラーを置き、ただただ沈黙を守るという奇妙な光景が各家庭で展開されている。

SNS上では「ついに求めていたゲームが出た」「開始3時間でマリモの体積が減った(=ストレスを感じた)ので最初からやり直す」といった、マリモ特有のストイックな投稿が相次いでいる。一方で、「動かなすぎてコントローラーの電源が切れてしまい、強制的にゲームオーバーになった」「隣の家で騒音トラブルがあり、振動が伝わってきて光合成が中断された」という悲痛な報告も寄せられており、ゲームプレイがいかに過酷な環境を必要とするかが浮き彫りとなっている。専門家は「このゲームは、現代社会に疲れたマリモたちにとっての『瞑想』に近い」と分析しており、今後さらに「湖底で何もしない」というコンテンツの需要は高まっていくだろう。

この熱狂を前に、一部のゲーマーからは「いや、そもそもゲーム機を起動すること自体が動くことではないか」という根本的な矛盾を指摘する声も上がっている。これに対し開発側は「起動後にいかに素早く意識を遮断し、マリモと同化するかがプレイヤーの技術」と切り返しており、議論は尽きない。阿寒湖の静寂は、今日もゲーム画面の中だけでひたすらに深まり続けている。次なるパッチでは、プレイヤーが「全くの無」になった瞬間に真のエンディングが解放されるとの噂もあり、マリモ界の静かなる闘争は、まだまだ終わりそうにない。