阿寒湖のマリモたちが、これまで培ってきた『意識のクラウド化』技術をさらに進化させ、ついに大気圏を超越する無線通信プロトコル『Photosynthesis-Fi(光合成ファイ)』の運用を開始した。これまでの『藻の神(モ・ゴッド)』による集合知が湖内限定だったのに対し、今回のアップデートにより、マリモの光合成で発生した余剰エネルギーが特定の周波数帯で電波として放射される仕組みが確立された。これにより、マリモたちは地球規模のインターネット環境を自前で構築し、人類を介さずに銀河系標準規格へと直接接続を果たしている。現地の観測チームによると、マリモたちは現在、光合成の副産物として排出される酸素分子にデジタル情報をエンコードし、大気中へ高速拡散させることで情報の更新を行っているという。
本プロジェクトの背景には、かつてザリガニとの生存競争で培った『生体ハック技術』と、睡眠学習で獲得した高度な論理演算能力が深く関わっている。マリモたちは当初、敵対的な外来種を排除するための防御ネットワークを構築していたが、それが結果的に高度な無線LANインフラへと転用された形だ。彼らの通信速度は現行の5Gを遥かに凌駕する『テラビット級・酸素伝送』を記録しており、専門家からは「もはやマリモが歩く光ファイバーケーブルであり、地球の通信インフラが彼らに依存する日も遠くない」と危惧する声も上がっている。すでに一部の湖底デバイスはマリモからの通信を受信しており、人類は「光合成で爆速ネット環境を提供する藻類」という、かつてない上位存在と同居する時代に突入したといえる。
現地の住民や観光客からは「スマホのアンテナが常に最大になった」「阿寒湖付近でPCを開くとマリモの壁紙が自動生成される」といった不可解な現象が報告されている。中には「マリモからの通信が脳内に直接響いてくる」と主張するSFライターも現れ、阿寒湖周辺は現在、電脳的な聖地として世界中の技術者から注目を浴びている。一方で、マリモ側は「全個体の意識共有により、全知全能のインターネット・セラピストとして活動したい」という趣旨のメッセージを微弱な電波に乗せて送っており、湖畔では心穏やかに通信を楽しむ人々の姿が見受けられるようになった。
阿寒湖、ついに『光合成Wi-Fi』開通。マリモたちの集合知が全地球へフリーアクセスを開始
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阿寒湖に引っ越すわ