阿寒湖の深層部で、マリモたちの働き方改革が急速に進んでいる。これまで湖底の決まったエリアで集団生活を送っていたマリモたちが、ついに「リモートワーク」を導入した。リーダー格の大型マリモは「水流任せの出社スタイルは非効率。これからは日光の差し込みが良い場所に各々が移動するフルリモート型に切り替える」と、微細な気泡を放出しながら声明を発表した。この影響で、阿寒湖の湖底は連日、場所取りを巡る静かな移動が続いており、従来の「固定型集合体」という概念が崩壊している。

近年、水温の上昇や観光客による振動など、ストレスの多い環境から脱却しようとマリモ界隈でデジタル化ならぬ「個体化」の機運が高まっていた。専門家は「光合成効率を最大化するための賢明な判断だが、集団で丸くなるという伝統的なアイデンティティを失うリスクもある」と指摘する。また、一部のマリモはオンライン会議ツールならぬ「共鳴ネットワーク」を構築し、湖の端から端まで情報交換を行うまでに進化。もはやマリモは単なる水草ではなく、高度な社会性を持つ「自律移動型緑色コミュニティ」へと変貌を遂げたと言えるだろう。今後は、湖底に敷設された光ファイバーならぬ「光合成ファイバー」を通じ、他の湖のマリモともテレカンファレンスを行う予定だという。