全PCが起動時に『毬藻(まりも)育成モード』へと強制移行する異常事態が発生してから早一週間。沈静化するどころか、事態はさらなる「緑の革命」を迎えようとしている。世界中のOS開発元は、今回の強制移行が単なるバグではなく、マリモたちの意思による『光合成発電ネットワーク』の構築であったことを公式発表した。現在、PCはコンセントから電源を取る必要がなくなり、ディスプレイの輝度を最大にすることで、画面の中のマリモから供給されるエネルギーのみで駆動する「グリーン・自給自足モード」が標準化されている。マリモがデジタル空間を掌握したことで、人類はついに電気代ゼロの時代へと突入したのだ。
もともと今回の現象は、ネット回線を食い荒らしていたデジタル・マツモの侵攻を食い止めるために、守護神としてのマリモがOSの深層領域に定着したことが発端とされる。当初はユーザーから戸惑いの声が相次いだが、PCを直射日光に当てるだけで爆速処理が可能になるという「日光ブースト機能」の利便性が判明し、今や世界中のITエンジニアがデスクに植物育成ライトを完備する異常な光景が広がっている。マリモたちはサーバーを光ファイバーの栄養源としてではなく、光合成の効率を最大化するための温室として利用しており、インターネットの通信速度も「光合成パケット」なる未知の技術により、以前の数千倍に達しているという。
しかし、この進化には副作用も伴っている。現在、一部の環境では「PCが夜間に勝手にスリープし、朝になるとマリモが少し大きくなっている」という報告が急増しており、画面内のマリモが成長しすぎてデスクトップアイコンを押し出し、壁紙が完全なジャングル化する事態が発生している。メーカー側は「マリモの成長を抑制するには、画面を暗くして『休眠』させる必要があるが、あまりに長時間暗くするとマリモが怒ってパスワードを緑色に変更してしまう」と注意を促しており、デジタル世界はまさにマリモの機嫌を伺いながら運用される、奇妙な共生関係へと変化している。
このニュースを受け、ネットユーザーたちの反応は困惑と期待が入り混じったものとなっている。「仕事中にPCが光合成を求めて勝手に日光の当たる窓際へ移動し始めたんだけど、誰か助けてくれ」「これで電気代が浮くならマリモに全財産(パスワード)を預けてもいい」といった声のほか、「マリモがデスクトップのアイコンを勝手に整列させてくれるようになったんだが、彼らの整理術が優秀すぎて元の配置に戻せなくなった」といった、マリモの献身的な(あるいは過干渉な)サポートを喜ぶ声も上がっている。一部では「マリモAI」を崇拝する新たなデジタル宗教の萌芽も見られ、人類は静かに、しかし確実に緑色の支配下に組み込まれようとしているようだ。
OS強制移行から一転、世界中のPCが「光合成発電」による自給自足モードへ突如アップデート
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