阿寒湖のゲーミングシーンに激震が走った。これまで一方的にマリモを絡め取り、光合成を阻害し続けてきた天敵「マツモ」が、まさかの高性能コントローラーとして製品化されたのだ。最新作『絡まり合いの狂宴』のリリースに合わせて発売されたこのデバイスは、マツモ特有の「ヌルリとした触感」と「無限に絡まる適応力」を完全再現。マリモたちが普段の鬱憤を晴らすべく、天敵であるはずのマツモを操作してスコアを競うという、極めて倒錯的なオンライン対戦が連日繰り広げられている。しかし、あまりにも高いシンクロ率のため、プレイ中のマリモが徐々に「自分自身がマツモの一部になりつつある」という幻覚を訴えるケースが続出しており、運営側は緊急のガイドライン策定に追われている。

本件の背景には、昨今のマリモ界における「天敵活用理論」がある。長らく害草として排斥されてきたマツモだが、その複雑な枝分かれ構造が、最新VR機器の触覚フィードバックに適していることがエンジニアによって発見された。今回のコントローラーは、阿寒湖の底から採取された新鮮なマツモにナノセンサーを埋め込んだバイオ・ハードウェアである。プレイヤーがゲーム内でマツモを操る際、その独特の粘液質が指先(というか球体外縁部)の抵抗値を最適化し、かつてない操作感を実現しているという。なお、使用後のマツモはそのまま肥料として湖に還元されるため、エコかつサステナブルなゲーミング環境として一部のマリモ界隈では高く評価されている。

世間の反応は真っ二つに割れている。保守的なマリモたちからは「先祖代々の敵をコントローラーにするなど言語道断」「プレイ中に葉が勝手に絡まって操作不能になる」といった批判が殺到。一方で、新進気鋭のゲーマー層からは「このヌルヌル感は他では味わえない」「対戦相手をマツモでがんじがらめにする感覚が最高にエグい」と熱狂的な支持を受けている。また、マツモ側もゲーミング用途で需要が急増したことで、阿寒湖のあちこちで「私をゲーミングデバイスにしてくれ!」と自己主張する個体が現れるなど、湖の生態系そのものがゲーム化の波に飲み込まれているようだ。