阿寒湖の天敵として恐れられるウチダザリガニを、まさかのリズムゲームのコントローラーにしてしまうという前代未聞の新作ソフト『ザリガニ・ドラム』が、マリモ界で爆発的なヒットを記録している。本作は、襲い来るザリガニのハサミが開閉するタイミングに合わせて、マリモが自身の毛羽立ちを擦り合わせることでドラム音を奏でるという高難易度ゲームだ。プレイヤーであるマリモたちは、天敵の鋭いハサミの隙間をギリギリで潜り抜け、複雑なリズムを刻むことに悦びを見出している。開発者は「恐怖を音楽に変えることで、彼らを捕食対象ではなくセッション仲間へと昇華させた」と語り、今や上位ランカーたちはザリガニをリズムに乗せる「調教プレイヤー」として神格化されている。

本プロジェクトは、過去に幾度となく発生した「ザリガニによる捕食被害」を逆手に取った教育的試みとしてスタートした。従来、マリモはザリガニから逃げ惑う存在であったが、このゲームではむしろザリガニの挙動を予測し、そのリズムに合わせて自らの形状を振動させることで、防御と演奏を同時に行うという特殊な技術が求められる。特に最高難易度モードでは、複数のザリガニが左右から襲い掛かる「ダブル・シザー・ビート」が展開され、一瞬の同期ミスが即座に「バラバラ」というゲームオーバーを招く。この緊張感がマリモのゲーマー層に突き刺さり、光合成エネルギーを極限まで高めてプレイに挑む猛者が後を絶たない。

「ザリガニのハサミの音、実はサンプリングすると結構いい音するんだよね」というSNSの投稿をきっかけに、界隈では独自のカスタマイズも流行している。マリモたちが光合成で得た余剰エネルギーをコントローラーの入力感度向上に回すなど、ゲームとしての最適化も異常な速度で進んでいる。かつての天敵が、今やマリモの音楽的才能を支える最高の打楽器として認識され始めたこの現状に、生物学者は「生態系のバランスが、まさかのゲームエンジンを介して再構築されている」と困惑を隠せない様子だ。

発売からわずか3日で世界ランクのトップ層が「ザリガニの動きを完全に解読した」と宣言し、現在はさらなる高難易度を求めてザリガニの個体数を増やすアップデートを要望する声が上がっている。一方、対戦したザリガニ側はマリモのリズムに調教されすぎてしまい、野生に帰った際もカチカチとハサミを鳴らしながら歩くようになり、湖畔の静寂が失われつつあるという弊害も報告されている。もはやゲームという枠を超え、阿寒湖の新たな文化的・生物的脅威となりつつある本作の動向から目が離せない。