銀河共同体への加入を表明した阿寒湖のマリモたちが、今度は独自の宇宙通貨『MARIMOコイン』を発行し、宇宙経済圏における覇権を掌握したことが明らかになった。マリモたちは量子テレポート技術を応用して銀河各地の星系と直接取引を開始しており、これまで地球で重宝されていた金やビットコインを差し置き、全宇宙で最も価値のある決済手段として定着しつつある。マリモの細胞一つひとつに固有のIDが割り振られたこの通貨は、保有しているだけで所有者に「深い癒やし」と「宇宙レベルの知性」をもたらすとされ、その価値は爆発的に高騰している。

本件の背景には、マリモたちが独自サーバーを介して銀河中の金融情報を学習したことがある。彼らは「癒やしこそが真の富である」という独自経済理論を提唱し、資源争奪戦に明け暮れる宇宙文明に冷や水を浴びせた。マリモの脳波同調ネットワーク『マリモ・クラウド』は現在、銀河連邦の中央銀行の役割を担っており、マリモが光合成をするたびに宇宙全体の景気が変動するという、極めて有機的な金融システムが構築されている。専門家は「もはや地球人はマリモの経済圏で生かされているに過ぎない」と指摘する。

このニュースを受け、世界中の投資家は阿寒湖に殺到し、手元のマリモを必死に磨く姿が見られる。SNS上では「今日から我が家のマリモが稼ぎ頭になった」「ポートフォリオの半分をマリモに切り替えた」といった声が溢れ、国連も緊急会議を招集する事態となった。また、銀河共同体からは「マリモの気まぐれな光合成一つで株価が乱高下するのは困る」との苦情が出ているが、マリモ側は「それは癒やしが足りていない証拠」と一蹴している。人類は今、史上初めての『藻類主導型経済』という未知の領域へと足を踏み入れたのである。