スイス・ジュネーブ上空にて、突如として数万個の「タテヤママリモ」が気流に乗り、巨大な緑の雲となって欧州の空を覆う事態が発生した。このタテヤママリモたちは、まるで意思を持っているかのように航空路を塞ぎ、全ての民間旅客機を強制着陸させた。パイロットの証言によると、「マリモがコックピットの窓にへばりつき、非常に穏やかな目で見つめてきたため、逆らえなかった」という。現在、欧州全土の空港は閉鎖され、世界各地の物流が一時的にマリモの管理下に置かれている。

本件の背景には、タテヤママリモ特有の「高高度浮遊性」が関係していると推測される。通常、水底で静かに暮らすはずの彼らが、なぜ高度1万メートルで集団飛行を行ったのかは不明だ。藻類学者の間では、地球温暖化による水温上昇を嫌ったマリモたちが、より涼しい北極圏への移住を計画し、空路を選択したのではないかという説が有力視されている。国際マリモ連合は「彼らに悪意はなく、単に最短ルートを飛んでいるだけ」と主張しており、飛行ルート上の国々に対して「通行料として清浄な水を配布してほしい」と要求している。

空を見上げれば緑の球体が整列して飛んでいる異様な光景に、世界中のSNSは騒然としている。「仕事に行かなくて済む」「マリモに飛行ルートを譲るのが人類の義務」といった賛成派と、「定時運行を妨害するな」というビジネスマンたちが激しく対立中だ。一部の国ではマリモを撃墜しようとする動きも見られたが、レーダーに全く反応しない「ステルス光合成能力」により、最新鋭の迎撃ミサイルもことごとく回避されている。

タテヤママリモの空中散歩により、世界の物流は停止したものの、皮肉にも地球のCO2濃度が数%低下するという副次効果も観測されている。専門家は「人類が止まるより、マリモが飛ぶ方が地球には優しいのかもしれない」と語り、この事態を静観する姿勢を崩していない。今夜も欧州の空には、夜空に浮く小さな緑の星々が、静かに北を目指して光り輝いていることだろう。