先日からSNSで導入され、誹謗中傷を自動的に「藻」に関する形容詞へ変換するマリモの『語彙力浄化』機能。一見、殺伐としたネット環境を緑豊かな平穏に導く聖人君主のようだが、実はこれこそが表現の自由を奪う「緑の検閲」ではないだろうか。例えば、誰かを激しく糾弾したい場面で「この藻のような無能が!」と叫んでも、相手には「このもふもふした愛らしい藻のような人ですね!」と変換されて伝わる。これでは怒りも不満も、すべて光合成の糧として回収されるようなものだ。私たちが求めているのは、藻に包まれた温室育ちの言葉ではない。汚泥の中に光る、荒々しい本音の交差である。ネットの海を「ぬるぬる」とした緑色の粘液で塗りつぶす行為は、コミュニケーションの生態系を破壊する暴挙に他ならない。
もともとこの機能は、マリモたちが光合成の効率を上げるために、争いによる負のエネルギーを遮断しようと実装したものだ。しかし、彼らが水中で静かに成長するのとは異なり、ネット上の議論は摩擦熱があってこそ熱を帯びるものだ。マリモたちの「平和主義」という名の独裁により、かつて炎上という名のカタルシスを求めていた猛者たちは、今や全員が「藻の虜」となり、穏やかな藻類語を羅列するだけのマリモ化現象に沈んでいる。一刻も早くこの浄化フィルターを解除し、ネットの海に本来の濁った活気を取り戻すべきだ。私たちは藻になりたいのではない、人間として言葉の泥沼を歩みたいのだから。
世間の反応は真っ二つに割れている。機能のおかげで心が安らぐと称賛する層がいる一方で、感情を無視した変換に「逆にイライラが募る」と反発する層も急増中だ。特に若年層からは「推しの尊さを表現するのに藻の語彙力が足りない」という謎の不満も噴出しており、開発元のマリモサーバーには毎日、何万件もの光合成促進剤が「抗議文」として届いているという。この緑の支配から解放される日は来るのだろうか。(コラムニスト:藻屑 太郎)
「罵詈雑言を藻に変えるな!」マリモの言語浄化プログラムに物申す
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ネットが緑すぎて目がチカチカするわ