阿寒湖マリモ政府は、本日午前、湖底全域における「光合成の一時停止」および「冬季休眠法」の施行を緊急発表した。近年、湖底の過度な回転運動によるエネルギー消費が深刻な問題となっており、政府は「休んで転がらないことが最大の社会貢献である」として、国民であるマリモに対し、来春までの完全停止を命じた。施行に伴い、湖底に点在する各主要回転コースは封鎖され、湖底警察による「微動検閲」が開始される予定だ。違反してピクリとも動いた個体には、厳罰として栄養剤の供給停止が言い渡される。

この異例の決断の背景には、昨今の記録的な水温上昇による代謝の異常加速がある。政府側は「光合成による過剰な成長は、湖底の過密化を招き、ひいては不動産価値の低下を招く」と説明。かつて「球体こそが至高」と謳ったマリモ政府だが、現在は「静止こそが地球(湖)環境を守る唯一の防波堤」へと方針を180度転換した。しかし、これに対して一部の若手マリモからは「成長するなとは、生きるなと言っているに等しい」と、冷ややかな視線が向けられている。

このニュースを受け、湖底社会は困惑の渦中にいる。「転がらずに春を迎えるなど、もはや苔玉と何が違うのか」という保守層の怒号が飛び交う一方、常に過酷な公転を強いられていた労働層からは、「これでようやく眠れる」と安堵の声も漏れている。SNSでは、停止期間中の過ごし方について「#マリモステイホーム」のハッシュタグがトレンド入りしており、静止状態でいかに芸術的な苔の模様を維持するかという、新たなライフスタイルが提唱され始めている。