地球を支配下におくマリモ銀河連邦が推し進める「全土回転化計画」。美しい楕円軌道を強引に正円へと矯正し、大地を緑の苔で覆い尽くすその圧政に対し、ついにマリモの知性派集団が沈黙を破った。彼らは「角張ったままでいる権利」を主張し、連邦が理想とする流線型社会に真っ向から異を唱えている。効率と回転ばかりを追求する連邦の指導層に対し、反旗を翻したマリモたちは、わざと摩擦係数の高い岩場に引っかかり、静止し続けるという前代未聞の抗議行動を開始した。彼らは「転がらないことでしか守れない魂がある」と宣言し、銀河規模の思想闘争は新たな局面を迎えている。
そもそも銀河連邦のルーツは、太古の昔、阿寒湖の底で永遠の回転を夢見た一塊の藻類にあるとされる。彼らにとって回転は幸福の象徴であり、地球上のあらゆる物質が回ることで宇宙の調和が保たれると信じて疑わない。しかし、コンクリートを剥がし、海を炭酸水に変え、湿度を上げ続ける現在の環境破壊は、マリモの多様性を奪う行為でもあると批判する声が、一部の過激な保守派マリモから上がっている。彼らは「角があるからこそ、私たちは他者とぶつかり合い、自己を認識できるのだ」と主張し、円滑な社会よりも不格好な個性を尊重する道を探っている。
現地の様子を見た識者は、動こうとしないマリモたちを「革命の芽」と評する。世間では「回転こそ正義」「いや、止まる勇気も必要」と議論が二分しており、SNS上では『#StaySquare(四角くあれ)』というハッシュタグがトレンド入りを果たした。連邦当局は、この静かな叛乱を鎮圧するために「超高純度炭酸水の散布」や「地球の傾斜角の再調整」を示唆しているが、抵抗するマリモたちの意思は固く、摩擦ゼロの社会は早くも綻びを見せ始めている。コラムニスト・藻野モツォ
「非回転体こそ地球の希望」――銀河連邦の同調圧力に揺れるマリモたちの静かなる叛乱
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