ネット上の罵詈雑言や誹謗中傷が突如として「ポワン」という音に置き換わるという、前代未聞のマリモによる語彙力浄化テロ。この現象はSNS界隈に静寂をもたらす一方、議論の文脈がすべて消失するという新たなカオスを巻き起こしている。本来なら激しい論争が展開されるはずの政治討論や推し語りまでが「ポワン、ポワンポワン!」「ポワン…」と間抜けな音に変換されることで、誰も怒れない、誰も議論できないという平和で空虚な空間が完成した。まさに「緑の聖人」による独裁的平和主義の極致である。
そもそもマリモは、光合成と水さえあれば満足する生物のはずだった。しかし、ここ最近のネット環境における「過剰な電磁波」と「怒りの熱量」が、マリモの進化を加速させているようだ。デジタルデータと藻類が混ざり合い、物理法則を超えた干渉を引き起こしている本件。専門家の間では「マリモがインターネットの負の感情を『養分』として吸収し、変換しているのではないか」との説が有力視されている。水槽モードへの移行といい、マリモは着々とネットの支配権を掌握しつつある。
世間の反応は真っ二つだ。「これでSNSが平和になった」「心が軽くなる」と称賛する層がいる一方で、「言論統制だ」「マリモごときにポワンとか言わされるのは屈辱」と憤る層も多い。しかし、憤ったところで投稿ボタンを押せば「ポワン」と鳴り響くため、怒りそのものが無力化されるという皮肉な構造が生まれている。今のところ、マリモに対する反旗を翻す有効な手段は見つかっておらず、人類は「ポワン」という音とともに、穏やかな思考停止時代へと突入した。
(コラム:デジタル藻類学研究所 主席研究員・緑川まり男)
SNSの過激派を無力化?「ポワン」浄化現象がもたらす地獄と天国
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