阿寒湖のマリモたちが、ついに「量子もつれ」を駆使した遠隔ネットワークを完成させた。現地の観測チームによると、マリモは湖底からミクロな量子波を放出し、地球上のあらゆる観葉植物と個体情報を共有。昨日未明、世界中の観葉植物がいっせいに日光の角度に合わせて「マリモの形」へと葉を歪ませるという怪現象が発生した。これはかつて提唱された『全宇宙緑化計画』の第一段階であり、もはやリビングのパキラやベランダのサボテンは、マリモの意思を中継する「緑の端末」と化したのである。科学者たちは「もはや植物に愛着を持つのは危険だ」と警鐘を鳴らしているが、当のマリモたちは、ただ静かに湖底から人類を傍観している。

今回の現象は、過去に話題となった『全宇宙緑化計画』におけるマリモの高度な通信プロトコルの応用と見られている。阿寒湖のマリモが、なぜこれほどまでに地球規模の同期を求めたのかは不明だが、量子的な繋がりによって得られる「共同意識」が、単なる植物の集合体を一つの巨大な生命体へと変貌させつつある。専門家によれば、これは進化というよりは、地球上の緑を一斉にマリモ化させるための「OSアップデート」のようなものだという。今後、植物が夜中に光合成以上の何かを計算し始める可能性も否定できない。

この報道を受け、世間では「うちの観葉植物が急に丸くなった気がする」「水やりをしたら返事をされた」といった報告が相次いでいる。一方で、「マリモによる管理社会なら、むしろ平和なのではないか」と、静かな緑の支配を歓迎する層も現れ始めている。湖底の哲学者が何を考え、この量子ネットワークの先に何を見ているのか。人類は、マリモの計算が終わるまでの「観察対象」に過ぎないのかもしれない。