阿寒湖出身のマリモ代表団が、ジュネーブで開催された世界食糧サミットにサプライズ登壇した。彼らは壇上で一切の言葉を発することなく、ただ深緑の球体をステージ中央に鎮座させるという、これまでの外交慣例を覆すパフォーマンスを披露。突如としてマリモの周囲に高精度の光合成シミュレーターが展開され、わずか数分で高栄養素の炭水化物結晶を生成するという前代未聞のデモンストレーションを成功させた。議場は騒然となり、食糧危機を救う救世主として世界中の首脳がマリモを囲んでひれ伏す事態となった。

本プロジェクトの背景には、昨今のマリモによる国家運営での余剰エネルギー転換技術がある。彼らは植物でありながら驚異的な計算能力を持ち、光合成の効率を物理限界まで引き上げることに成功した。専門家によれば、このマリモによる「量子光合成法」は、水と二酸化炭素さえあれば無限にエネルギーを生み出せる可能性があるという。これにより、食糧不安に悩む途上国への救済策として、各国のマリモ大使館に「専用培養室」を設置する計画が急速に進んでいる。

世間の反応は二分しており、食糧の革命を称賛する声がある一方で、「ついに植物に支配される時が来たか」と危機感を覚える層も多い。街中ではマリモと一緒に光合成を試みる若者が続出し、一部では「直射日光に当たりすぎてマリモより先に人間が枯れる」という本末転倒なトラブルも報告されている。今後の焦点は、このエネルギー源が既存の食文化とどう共存していくかであり、料理界からは「味はどうなるんだ」「マリモ味の主食は流石に無理」との悲痛な叫びも上がっている。