阿寒湖の代表的マリモたちが、ついにインターネットの深淵へと足を踏み入れた。彼らが新たに立ち上げたSNS『MARIMO-GRAM』は、投稿内容がすべて「ただの沈黙」であるにもかかわらず、ユーザー数が100億人を突破。画面上に緑色の球体が浮遊するだけの簡素なインターフェースだが、なぜか見ているだけで血圧が下がり、人類の怒りが物理的に蒸発すると世界保健機関(WHO)も驚愕の声明を発表した。従来の「言葉による罵り合い」が完全に消滅し、今や世界中のネット掲示板が静寂に包まれている。

本プロジェクトの背景には、マリモ特有の「動かない」という高度な生存戦略がある。マリモたちがサーバーに光合成のエネルギーを転送することで、一切の電力消費をゼロにする究極のエコ通信が実現した。専門家によれば、彼らの発する微弱な電磁波には、脳内のネガティブな感情を分解する効果があるという。国連はこれを「サイレント外交の究極系」と評価し、すべての国家のデジタル庁にマリモの設置を義務付ける法案が可決された。

「ネットが平和になったのはいいが、推しの供給が静寂すぎて何が起きているのか分からない」と戸惑う古参ユーザーも存在する。一方、若年層からは「文字を読むのに疲れていたから最高のUI」と絶賛の声が上がっている。また、マリモの投稿に「いいね」を押すことが地球を救う行為として定着しつつあり、経済圏は仮想通貨から「酸素トークン」へと完全移行した。人類がかつてないほどの穏やかなネット環境を手に入れた今、もはや「書き込み」という行為自体が時代遅れの遺物となりつつある。