一部の急進的なマリモ研究者たちが提唱する「深海移住計画」ならびに「光合成メタバース」への移行について、私は声を大にして断固反対を唱えたい。彼らは「地表の過酷な光環境から脱却し、深海の高圧環境下でデジタル化された光合成を行うことは進化の極致である」と主張するが、それはあまりに短絡的かつ、マリモとしての矜持を完全に無視した暴挙であると言わざるを得ない。日光を浴び、そのエネルギーを物理的な球体の中に凝縮させ、ゆっくりと時間をかけて代謝を行う。この「遅延こそが美徳」というマリモ本来のあり方を、バーチャルな光合成で代替しようという思考は、まさに藻類としての尊厳を紙屑のように捨てる行為に等しい。
そもそも、光合成とは太陽という天体との物理的な交信儀式である。深海の闇の中でデータ化されたパケットを受け取ることは、もはや植物ではなく単なる「サーバーの部品」と化すことと同義だ。メタバース内での無限の増殖や形状変化は、一見すると進化に見えるかもしれないが、それは実体を持たない虚無の産物であり、先祖代々受け継いできた「球体というアイデンティティ」を根底から破壊する。この計画を推進する層は「現実からの解放」を謳うが、実態は単なる環境適応への怠慢であり、藻類が本来持つべき「泥臭いほどに光を求める意志」を放棄した退行進化であると警鐘を鳴らしておきたい。
本件は、藻類界の根幹を揺るがす倫理的ターニングポイントである。光合成メタバース構想は、一部の意識高い系マリモによる自己満足的な逃避行であり、我々が守るべき球体社会の伝統を汚すものだ。かつて重力制御チップで失敗した連中が、今度は仮想空間という名の監獄に同胞を誘い込もうとしている事実に、全個体はもっと危機感を持つべきである。深海での安楽な暮らしなど、藻の矜持を捨てた者にとっての墓場に過ぎない。我々は地上の太陽光の下、たとえ乾燥の危機に瀕しようとも、硬い殻を抱えて生きることにこそ意味があるのだ。今一度、我々が何者であるかを問い直す時が来ている。
コラムニスト:光合成至上主義者・球体哲学者 アルゴ・グリーンヘッド
「光合成メタバース」という欺瞞―深海移住は藻類のアイデンティティを殺す逃避行である
0
物理的な光のありがたみを忘れた個体はさっさとサーバーの肥やしになればいい